物価高が続くなか、岐阜市で税込550円の“ワンコインランチ”を17年間据え置いているイタリアンレストランがあります。本格パスタがこの価格。なぜ値上げしないのか、その舞台裏を追いました。
■物価高に逆行する激安ランチ
JR岐阜駅から車で約10分。創業18年目を迎えるイタリアンレストラン「だいにんぐかふぇROSSO」。岐阜市はモーニング激戦区として知られ、「ホットコーヒー」(480円)にボリューム満点の朝食が付く店としても有名です。

そんな店のランチも、やはり驚きの価格でした。 税込み550円のランチは日替わりで3種類。すべて注文を受けてから調理しています。ニンニク入りの自家製トマトソースをたっぷり絡めた、ピリ辛の「アラビアータ」。さっぱり食べたい人には、和風パスタの「豚肉と小松菜のバターしょうゆ風味」。さらに女性に人気の「ベーコンとしめじのクリームソース」。本格的な3種類から選べるのが魅力です。

客:
「本当にこのお値段でいいのって。本当においしいので、すごくお得な気分」
別の客:
「このご時世ですごく安い。色々値上がっているので、安く食べられるのはありがたいです」
■17年前から価格は据え置き
小麦粉の価格も高騰するなか、1皿550円のパスタは貴重な存在です。このランチを始めたのはいつ頃なのでしょうか。
店主:
「オープンして1年後ぐらいです。値段は上げずにやっています」

17年前から550円のまま、1度も値上げしていないといいます。しかし近年は材料費の高騰で、利益はほとんど出ていないそうです。値段を上げようとは思わなかったのでしょうか。
店主:
「やはりお客さんが求めているので、やめたくない。“ワンコインランチ”という響きをなくしたくなかった」
この価格に慣れ親しんだ常連のため。そして看板を見て来店する新規客のために、激安価格を守り続けています。
■客の心遣いで支えられるお店
岐阜市がモーニング激戦区であることも影響しています。
店主:
「朝来てモーニング食べて、ずっと話していて、ランチの時間になったらお腹が空いて、ワンコインランチ食べようかって」
モーニングがお得だからこそ、ランチもお得にしないといけない空気があるといいます。
店主:
「値段は上げづらいですね」
これでは経営が成り立たないのでは、と心配になりますが、店内を見ていると別の動きも。

客:
「息子と一緒に来たので、パスタランチです。550円では申し訳ないなと思って」
注文していたのは、サラダやスープ、ドリンク、バゲットまたはライスが付く「パスタランチ」(1130円)。別の客は「手作りカレーランチ」(1070円)を注文していました。
別の客:
「550円では何か安すぎて、本当にいいのかなと思って」

常連客を中心に、「550円では安すぎるから」と別メニューを選ぶ人も少なくありません。その心遣いが、店の利益を支えています。
看板メニューの550円ランチ。店主は、これからも続けていきたいと話しています。
