開店前から行列ができる岐阜市の老舗とんかつ店。名物は、75年受け継がれるみそかつと、筋肉がトレードマークの3代目店主です。昭和の食堂スタイルを貫き、人とのふれあいを大切にする店の魅力に迫ります。

■筋肉がトレードマークの3代目店主

岐阜市にある創業75年の老舗「とんかつの松屋」。看板メニューは、サクサクのかつに特製のみそだれをたっぷりとかけた自慢の「ダブルみそかつ(単品)」(1050円)です。

ニュースONE
ニュースONE
この記事の画像(11枚)

腕を振るうのは、体を鍛えはじめてはや30年、マッチョな3代目店主の後藤悟さん。

後藤さん:
「今はもう毎日の筋トレが趣味。お昼休みにやることがなく、ジムに行って体を鍛えてはや30年です」

ニュースONE
ニュースONE

悟さんは、息子の隆伸さんと妻の明子さんとともに、家族で店の味を守っています。店が何より大切にしているのは、客とのふれあいです。

後藤さん:
「僕は昭和の生まれなので、昭和のお店をやっていたい」

■一度食べたら忘れられない…こだわりのみそかつ

1日は、大量の豚肉の仕込みから始まります。

後藤さん:
「30~35キロくらい、土曜日は50~60キロ使います。うちは先代先々代からみそかつに合う肩ロースを使っている」

ニュースONE
ニュースONE

とんかつに使うのは、脂身と赤身のバランスがよい国産豚肩ロース。創業当時から変わらないこだわりです。さらに、おいしいとんかつに仕上げるための秘訣がもう一つあります。

後藤さん:
「うちは動物性の油、ラードを使って揚げる。ラードで揚げると全然違う。おいしい」

開店20分前には、すでに店の前に客の姿が。

ニュースONE
ニュースONE

後藤さん:
「高校の同級生、常連さんです」

同級生の常連客:
「12時には混んでしまうので。定番のみそかつを食べたい」

注文のほとんどが自慢のみそかつ。ラードならではのコクと香ばしさがたまらないかつに、継ぎ足し継ぎ足しで作られる秘伝のみそだれを合わせます。そこに、からしをかけるのが松屋流です。

ニュースONE
ニュースONE

後藤さん:
「先代から。僕が物心ついた時から、これが普通だった。SNSの写真でも“うちのかつ”とすぐわかる」

秘伝のみそだれとからしの相性抜群の逸品は、75年間愛され続けてきました。

常連客:
「肉は“にくにくしい”し、衣はさっぱり。ここで食べないと食べた気がしない」
別の常連客:
「高校生の時から来ているから、青春の味」

ニュースONE
ニュースONE

来客のほとんどがリピーター。一度食べたら忘れられず、つい足を運んでしまう味です。

■人情が息づく店

実は店には、とんかつだけでなく、カレーや焼きそば、「ヤキメシ」(800円)、「オムライス」(900円)、さらに「うどん」(550円)まで、約40種類のメニューがあります。

ニュースONE
ニュースONE

みそかつだけにメニューを絞らないのには、理由がありました。

後藤さん:
「お子様やおばあちゃんが食べるメニューがなくなるのも問題。間口が広いといろんな方に食べていただける。月に1回来るお店ではなく、毎日通えるお店がうちのスタイル」

ニュースONE
ニュースONE

メニューの豊富さは、幅広い世代に楽しんでほしいという思いから。中には、客の声から生まれた一品「カツハヤシ」(1300円)もあります。

後藤さん:
「お客さんにカツをのせてと言われて始まった」

かつに酸味のきいたデミグラス風ソースが意外に合うと、今ではみそかつに次ぐ人気メニューになりました。
         
この日は、「持ち帰りのオムライス、玉ねぎなしで」「肉なしのオムライスも」といったリクエストも。

後藤さん:
「応えられる範囲は、応えたい」

そんなお客さんファーストの姿勢は、営業スタイルにも表れています。

ニュースONE
ニュースONE

後藤さん:
「人手不足で、いろんなものがIT化されると、券売機やタブレット注文になる。お客さんとのコニュニケーションが無くなるのは寂しい」

大切にするのは、客とのコミュニケーション。そのため、注文は対面にこだわり、人件費をかけてでも多くのスタッフで接客しています。

ニュースONE
ニュースONE

後藤さん:
「昭和の食堂を貫きたい。お客さんとふれあい、距離感の近い食堂を大事にしたい。あとは、死ぬまで筋トレをして、いつまでもパリッとした体でいたい」

「とんかつの松屋」は、こだわりのみそかつと昔ながらのスタイルで、これからも街の人に愛され続けます。

東海テレビ
東海テレビ

岐阜・愛知・三重の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。