“筋トレサポートそば”誕生

新型コロナによる運動不足に対応し拡大するタンパク質市場、キーワードは「筋トレ」だ。

ダイタンフード株式会社 開発企画広報・工藤寛顕さん:
筋肉もりもりになりたい人にコミットする結果になれば、来年の春夏に向けて全店舗で販売したい。

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立ち食いそばチェーンの富士そばが10月29日に発表したのは、その名も「筋肉もりもりそば」

そばの上に肉やほうれん草、大根おろしなどが乗っていて、筋肉を作るのに不可欠とされるタンパク質が28グラムとれるという一杯。

価格は680円。実は、富士そばの平均客単価の1.5倍の価格だという。

そば店がなぜタンパク質メニューを開発することになったのか?

ダイタンフード株式会社 開発企画広報・工藤さん:
そばに入っているルチンという成分が、タンパク質と一緒に摂取すると筋肉にいいと聞いた。コロナの影響で自宅で筋トレする人が増えている情報があって、その人たちに向けて、少し高い値段になるが、わざわざ(富士そばに)来ていただくために商品開発しました。

新型コロナの影響で、自宅で筋トレをする頻度が増えた人は8割以上との調査結果も。

タンパク質補給食品市場は年々拡大

さらに、マーケット調査会社・富士経済によると、タンパク質補給食品市場は年々拡大していて、2020年も2019年を上回る見込み。2025年には2400億円規模に成長するとしている。

富士そばでは、テレワークの浸透で都心ではビジネスパーソンの利用が激減した一方で、女性の一人客の利用は増えていることから、新たな客層に訴えかける狙いだ。

女性客:
(足を運ぶきっかけになりますか?)なりますね。1日のタンパク質の摂取量を意識しているので、肉とそばとたまごと全部…

タンパク質を売りにした商品は年々広がりを見せ、今や、プロテインバーやサラダチキンなどの定番商品だけでなく、チョコレートやクッキーなどさまざまな商品が登場している。

コンビニエンスストアでもサラダコーナーには「タンパク質がとれる」と書かれた商品が並んでいた。

セブン-イレブンは6月から、タンパク質がとれるサラダなどのプライベートブランド商品を販売。29日も新商品を投入し、順次発売する予定だ。

セブン-イレブン・ジャパン 安藤貴将さん:
やはり健康意識はより上がっていて、中身にどんなものが入っているか、そういったことをしっかりと確認するお客が増えていると思うので、そういったお客に、手軽に日常的に取っていただく品ぞろえを展開しています。販売の方も、非常に好調に推移しています

近年の健康志向の高まりに新型コロナの影響が拍車をかけ、タンパク質市場は今後もさらなる拡大を見せそうだ。

予防医療の点からも需要増へ

三田友梨佳キャスター:
タンパク質を売りにした商品は最近増えていますが、渡辺さんはどうご覧になりますか?

マーケティングアナリスト・渡辺広明氏:
実は僕も、2年前からタンパク質のプロテインバーの開発に携わっているんですね。プロテイン=タンパク質というのは、まったく浸透していませんでした。プロテインは、スポーツをする人がスポーツ後に溶かして飲むみたいなイメージでしたが、今はタンパク質だとの認識が一般的になってきました

マーケティングアナリスト・渡辺広明氏:
(新型コロナによる運動不足もあって)一般の人がタンパク質を取らなければいけないという意識が働いているんですが、なかなか食事だけでは十分に取れないので、サラダチキンやプロテインバー、プロテインドリンクなどの市場が一気に広がっているのです。もともと、プロテイン市場はすごくニッチな市場だったんですが、それによって一般の人が買うマス向けの市場に進化していったのがポイントになります

三田友梨佳キャスター:
確かに最近はコンビニに行ってもプロテイン商品がたくさん並んでいて、女性でも手にしやすくなったなという印象があります

渡辺広明氏:
コンビニにプロテイン商品が並んでいるのは一般的になった理由として大きいでしょうね。女性も、極端な食事制限から、体を鍛えて理想の体をつくる、髪や肌にもいいということで利用がどんどん進んでいった側面があるんじゃないかと思います。また、女性だけでなく、超高齢化が進んでいるので、社会保障による医療費が増大しています。予防医療につながる、健康に関わる食品ということで、タンパク質商品はこれからどんどん増えていくと考えられます

三田友梨佳キャスター:
わたし自身、以前、検査でタンパク質不足を指摘されたことがあるんですが、今は選択肢がたくさんありますから、それぞれのライフスタイルに合わせた、効果的なタンパク質の摂取方法を見つけることも大切なのかもしれません

(「Live News α」10月29日放送分)