とさでん交通と高知県警が合同訓練
とさでん交通と高知県警は2026年2月18日、走行中の路面電車内で刃物を持った不審者が暴れたとの想定で合同訓練を実施した。近年の公共交通機関における殺傷事件を受けたもので、最新の「110番映像通報システム」の運用を含めた、初動対応の連携強化が図られた。
訓練は、車内に刃物を持った男がいることを運転士が確認した場面から開始された。運転士は即座に無線で会社に事案発生を連絡し、本部はこれを受けて警察へ通報。電車は最寄りの駅(桟橋車庫付近)へと緊急停車する措置が取られた。
スマートフォンが「目」になる。最新システムが繋ぐ現場と警察
今回の訓練の重点項目の一つが、2022年から全国の警察で運用されている「110番映像通報システム」の検証だ。警察官は通報者のスマートフォンを介し、現場の状況をリアルタイムの映像で送信するよう要請した。
駅に到着後、不審者の男は降車を促す警察官に対し「お前が降りろや」と怒鳴るなど抵抗を続けたが、ホームに降りたところで複数の警察官が防護盾を用いて包囲した。警察官は刃物を振り回す男との距離を維持しながら、隙を突いて男を制圧するまでの手順を確認した。
繰り返させないために
2026年1月には、JR四国の特急列車内で車掌が刃物を持った男に負傷させられる事件が発生している。通報役として訓練に参加した山野秋登運転士は、「緊張していたんで少し焦ってしまうところがあったが、落ち着いてやっていこうと心がけた。お客さまにケガのないように安全に運行できるようにしていきたい」と述べた。
警察は、映像通報システムが犯人特定や証拠確保に有効であるとする一方、不審者を刺激しないよう「安全を確保した上での使用」を求めている。とさでん交通は、乗客と社員の安全を第一に、今後も警察との連携を継続し、非常時の防犯体制を強化していくとしている。