イラン情勢の悪化は、我々の生活にさまざまな影響を及ぼしている。これから本格的な作付け時期を迎えるコメ作りも例外ではない。農機具の燃料代以上に深刻なのが、中東から原料を輸入している肥料の価格高騰だ。コメの価格が現状のまま維持されるか不透明な中、コスト増大に農家が悲鳴を上げている。
年間700リットル…燃料代に頭悩ませる農家
雪解けが進み本格的な春を待つこの時期、農家は田植えに向けた準備を進める。
福井市内の50ヘクタールの水田で5種類のコメを栽培する白井清志さんも、トラクターに乗って畔塗りや代かきの作業しているが、その燃料代に頭を悩ませている。
「うちは軽油で年間7000リットル使う。これがとんでもなく値上がりしているので生産コストが高くなっている」
原料を輸入に頼る肥料も…価格高騰
さらに、燃料代以上に深刻なのが、肥料の値上がりだ。
「窒素、リン酸、カリ…肥料の原材料は中近東、ベラルーシから入って来ているが、ダメになるかもしれない」
イラン情勢の悪化で、中東から輸入している肥料の原料の供給が減少。需給がひっ迫したことで肥料の価格が上昇している。
白井さんは毎年この時期に1年間分の肥料を仕入れるが、今年は去年の2倍となる総額900万円がかかった。
コストを抑えようと有機肥料を使うなど工夫もしているが、それも限界だという。
「コストが上がって製品(コメの価格)が上がるならいいが、下がるのではないか。農家はみんな辞めますよ…こんな赤字出して、とてもじゃないけどできない」
「コストの回収は難しい」
いわゆる「令和のコメ騒動」をきっかけに、長年、変わらなかったコメ価格はここ数年で値上がりしました。
ただ、現在はコメ余りも指摘されていて、このコメ価格が継続するかは不透明な状況だ。
このため白井さんは、今回の事態で上がったコストを回収するのは難しいと予想する。
世界情勢の不安定さが、日本のコメ作りの現場にも影を落としている。
