大会前日に約200人のランナーが集結
高知龍馬マラソン2026の開催を翌日に控えたスタジアムで、市民ランナーに向けた特別なランニングセミナーが開催されました。 ゲストとして登場したのは、本大会でペースランナーも務める青山学院大学陸上競技部のメンバーです。今年の箱根駅伝で総合優勝を果たしたトップアスリートたちから直接指導を受けられるとあって、会場には約200人の参加者が集まり、熱気に包まれました。
箱根駅伝を制した強さの秘密「青トレ」を実践
盛大な拍手の中、スタジアムに姿を現した青学陸上部の選手たち。ひときわ注目を集めたのは、箱根駅伝の5区で異次元の走りを見せ、“シン・山の神”と称された黒田朝日選手です。
「2025年度の主将をつとめました黒田朝日です」という挨拶で始まったセミナーでは、青学陸上部が日々のトレーニングとして実際に取り組んでいる独自のストレッチ「青トレ」が惜しみなく公開されました。
「回数を重ねるごとに、徐々に上の方にあげて動きを大きくしていきましょう。引く時、下に下げて後ろに持っていく時は、自然に手を返しながら」と黒田選手が手本を見せると、参加者たちも一斉に上半身を大きく動かします。
「青トレ」は上半身のみならず、ランニングにおける推進力の要となる下半身の動きも重視しています。 宇田川瞬矢選手は、足を後方に広げて横へと回すダイナミックな動きを実演。「できれば足の裏を外側に向け、ハードルを越えるようなイメージで」と、具体的な体の使い方をレクチャーしました。
このストレッチは、単なる準備運動にとどまりません。自身の体が動く範囲(可動域)を正確に把握することで、ランニングフォームの向上や、長距離を走る上でのケガ予防に直結するといいます。実際に体験した参加者からは「正しい動きを学べた」「体の可動域が目に見えて増えた」と、驚きと喜びの声が上がっていました。
難所「浦戸大橋」はどう走る? “山の神”の回答
セミナー終盤の質問コーナーでは、高知龍馬マラソンならではの切実な悩みが寄せられました。ランナーを苦しめる最大の関門「浦戸大橋」や、終盤の「春野の坂」といった上り坂を攻略するポイントについての質問です。
これに答えたのは、“シン・山の神”の異名を持つ黒田選手でした。
「全く参考にならないと思うんですけど……」と会場の笑いを誘いながらも黒田選手は「まず上り坂に関しては、適性(向き不向き)だと思ってください」とキッパリ。その上で、「上に跳ねたりしないよう、なるべく道に沿って水平に進んでいけるような感じを意識して走ってもらえたら、少しはマシになるのではないかと思います」と、体力のロスを防ぐための実践的なフォームの意識付けをアドバイスしました。
レースを終えた体には、基本のケアを
過酷な42.195kmを走り終えたランナーにとって、事後のボディケアも重要な課題です。 大会後、改めて体のケアについて問われた黒田選手は、「基本的なストレッチ、筋肉を伸ばしたりというのを行うことが一番重要かなと思います」と語り、特別なマッサージや器具に頼る前に、まずは基本に忠実なストレッチで筋肉の緊張をほぐすことの大切さを強調しました。
箱根駅伝の覇者たちが実践する「青トレ」は、特別な才能を持つ選手だけのものではなく、市民ランナーのパフォーマンス向上やケガ予防にも大いに役立つメソッドです。
来年以降の大会に向けて、日々のランニング習慣に「青トレ」を取り入れてみてはいかがでしょうか。