富山県民にとってSNSは単なるコミュニケーションツールではなく、「生きがい」そのものである――。そんな興味深い調査結果が明らかになった。

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驚きの調査結果に県民は困惑

ソニー生命保険が実施した全国の生活意識調査で、富山県は「SNSが生きがい」と回答した人の割合が全国で最も高いという結果が出た。47都道府県の20歳から59歳の各100人を対象としたこの調査で、富山県は生きがいに関する複数の部門で全国トップ3に入った。

しかし、街で県民に話を聞くと、この結果に対する反応はまちまちである。

「いやーそうなのかなぁ?ってちょっとびっくりですね」

「ピンとこないですね」

「生きがい?深いですね。生きがいではないですね。そこまでではない」

多くの人が戸惑いを見せる一方で、納得する声もある。

「インスタしてる人(利用率)が富山県が1位っていう聞いたことがあるので、そのつながりでSNSも人気なのかなって」

「生きがい。無いともう生きていけない」

専門家が指摘する富山県民の特性

富山大学教育学部の長谷川春生教授は、この結果について興味深い分析を示している。

「SNSだけ1位で、他が低いと考えてしまうが、推し活、グルメ・スイーツにも興味ある。(県民が)いろいろな事に興味を持って日々生活している。良い事ではないか」

実際に県民のSNS利用状況を調べると、その使用時間の長さに驚かされる。

「ぎゅっとして8時間くらい。寝起きとか、暇なタイミングで」

「そういう仕事に携わってるんで・・・16時間とか。SNSの運用代行です」

若い世代の深刻な依存状況

特に深刻なのが若い世代の利用実態である。高校生への取材では、想像を超える使用時間が明らかになった。

「えー10時間とか」

朝起きてすぐに「もうTiktok」を見るという高校生は、やりすぎだと思いながらも「思ったけど・・・もう無理でした」と話す。別の高校生は「1日2日くらいなら無くても生きていけるけど1週間は無理」と依存状態を認めている。

ネットやゲームの依存症に関する調査によると、SNSの「病的使用」の疑いがある人は全世代で1.8%だが、10代から20代では6%、10代に限ると7%を超えている。

対策は「禁止」ではなく「共に考える」こと

長谷川教授は、若い世代のSNS依存について警鐘を鳴らしながらも、解決策は単純な禁止ではないと指摘する。

「病的な使用とか依存になってくると、専門機関の受診や対応が必要になってくる。ネットだけでなく、現実の世界でも楽しいことを見つけて、バランスよく活動すれば、そういう風にはならない」

教育現場での取り組みについても、従来の「禁止」中心のアプローチから転換する必要があると説く。

「『情報モラル教育』というと、どうしてもあれをやってはいけない、これをやってはいけない、『禁止します』と言っても子どもたちにはあまり効果がない。『ルールはみんなで考えましょう』『実際にそういうことがあったらどう思うかみんなで考えてルールを決めましょう』というようなやり方が、一番効果的」

社会全体での取り組みが始まる

この問題を受けて、今年1月には国のこども家庭庁が子どものインターネット環境のあり方を議論する専門家会議を開催するなど、法改正も視野に入れた議論が進められている。

県内でも具体的な取り組みが広がっている。小矢部市では独自の利用ルールを設け、トラブルの危険をマンガで伝えるなど、生徒が中心になって考える取り組みを続けている。

富山県がSNS利用で全国トップという結果は、現代社会におけるデジタルコミュニケーションの重要性を示すと同時に、その健全な活用方法を模索する必要性を浮き彫りにしている。大人も子供も一緒になって、SNSとうまく付き合う方法を見つけていくことが今後の課題である。

(富山テレビ放送)

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