地元の食材を使った「生ソーセージ」が人気の工房が長野県安曇野市にあります。ジューシーで野菜の香りも楽しめる味。作るのは移住し、なじみ客との交流を愛する夫婦です。
■北アルプス山麓の人気工房
じっくりと焼き上げ―。
肉がぎっしり詰まっています。
北アルプスの山麓に店を構える「安曇野ご馳走肉工房」。店内にはソーセージにハム、ベーコンなどこだわりの加工肉が並びます。
イチオシは、製造過程で加熱処理をしていない「生ソーセージ」です。
安曇野ご馳走肉工房・國分信之さん:
「(“生ソーセージ”には)発色剤が入っていない。本当にお肉を味わう味」
オーナーの國分信之さん(60)と妻の文子さん(58)。
脱サラして東京から移住し自宅の隣に工房と店を開きました。
■なぜ、安曇野を選んだのか
もとは、大手食品会社の営業マン。
國分信之さん:
「(当時は)ダイレクトに消費者、生活者の皆さんの意見や感想を聞くことができていなかった。それをぜひ自分自身で感じたい思いが強かった」
54歳で早期退職し、当時住んでいた福岡県などの工房で2年間、好きだったソーセージやハム作りを学びました。
そして、3年前、念願の工房と店を開業します。
安曇野は知り合いもいない土地でしたが―。
國分信之さん:
「冷涼な気候、ハム、ソーセージを作るときにあまり温度を上げたくない。最終的には原料」
自然豊かな安曇野。
求める食材も調達でき、条件が全てそろっていました。
■夫婦の思い出の地「信州」
さらに―。
國分信之さん:
「長野の遠征や合宿が学生時代あり、とてもなじみがあった」
妻・文子さん(58)と出会ったのは大学のスピードスケート部。
信州は、練習や合宿で何度も訪れた思い出の場所です。
國分信之さん:
「(長野に住んでどうですか?)私は最高です!」
妻・文子さん:
「毎日が景色が違うので、(朝)起きて楽しみ。2人で一緒に走らないと成り立たない」
■特産の「安曇野げんき豚」を使用
そんな夫婦が作るソーセージ。使うのは特産の「安曇野げんき豚」です。
機械で細かくミンチにしたら、手で練ります。
國分信之さん:
「練っていると、だんだん粘度が出てくる。(混ぜすぎると)今度は粗びき感が損なわれる。そこはバランス」
この日、肉に混ぜたのは「実山椒」です。
ほかにも、松本一本ネギや大葉、香味野菜など地元の野菜を合わせます。
■プロが教える「絶品焼き方」
ゆでたり蒸したり加熱処理はしません。
肉の食感やうまみをダイレクトに味わえるのが特徴です。
自慢の「生ソーセージ」が完成しました。
おすすめの焼き方を特別に教えてもらいました。
國分信之さん:
「“生”なので、火をきちんと通してもらうため先に少し沸騰していない優しいお湯で加熱」
全体の色が変わるまで沸騰しない程度のお湯に浸して、弱火から中火でじっくりと焼きます。
全体に焦げ目がつけば食べ頃です。
(記者リポート)
「かんだ瞬間に肉のうまみが、口の中いっぱいに広がってとてもおいしいです」
■じわじわとファンが増加
客:
「焼き方ってどうですか?」
國分信之さん:
「フライパンで表裏」
フレッシュでジューシーな生ソーセージ。
じわじわとファンが増えています。
安曇野市内から:
「(前回購入して)おいしかったので、また買いに来ようと思って」
池田町から:
「オープンしてからずっと世話になっていて、大好きで毎週のように来ている」
■客の声から生まれる商品
安曇野は移住者が多い土地。
1年前に安曇野に移住:
「いつも通りベーコンと」
1年前に安曇野に移住:
「今まで食べた中であまりないソーセージで、おいしくて大事に食べる。山椒と大葉のソーセージがありアクセントになっていて、肉だけではなくピリッとしたり香りが豊か」
なじみ客とのやりとりを楽しむ國分さん。こうした中から商品の幅も広がっています。
「めたうまポーク」は、ソーセージに詰めるミンチ肉に刻んだシイタケやマッシュルームを入れています。
國分信之さん:
「このソーセージが好きで腸から出して中の具だけ取り出して料理に使っているという客がいて、腸から出す手間を考えたらうちが(袋に)入れてあげた方がいいよねって」
國分信之さん:
「客はいろいろなヒントを持っていて情報をくれる。皆さんの話に耳を傾けたい。客においしいと言ってもらったり、アイデアをもらったり最高、こういう商売は(笑)」
■地域に愛される店を目指して
オープンからまもなく丸3年―。
地域に根ざしたおいしさで、地域に欠かせない店を目指します。
妻・文子さん:
「もともと身寄りがある土地ではないけど、少しずつ客が増えてきてすごく楽しくやっている。フラっと通りかかったから寄っていこうとか、おかずの1品に加えてもらえる店を目指したい」
安曇野ご馳走肉工房・國分信之さん:
「地元の方に愛されるお店づくりを、優しい味わいのものを長く提供して地域を元気づけられるねじの1つくらいになれたら」