アクションプランの3本柱

スマホの乗り換えを今よりも手軽に。
総務省は10月27日、携帯料金の値下げに向けたアクションプランを発表した。

武田総務相:
事業者間の競争を促進し、結果として主要国と比較して遜色のない料金サービスを早期に実現したい。

武田総務相
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総務省が発表したアクションプランは、「わかりやすい料金サービス」や「事業者間の公正な競争」、「乗り換えの円滑化」の3つの柱を掲げている。

例えば、乗り換えの円滑化では、カードの差し替えがいらない「eSIM」の促進を挙げている。

携帯会社を乗り換える場合、SIMカードと呼ばれる契約者の情報を書き込むカードの差し替えが必要だが、「eSIM」の場合はSIMカードの機能が端末に内蔵されていて、すぐに回線を切り替えることができるため、乗り換えが手軽に行えるという。

このほか、今回のアクションプランには、データ接続料について、2020年度から3年間で5割減を目指すことが盛り込まれている。

さらに、番号ポータビリティーを行う際にかかっていた3,000円の手数料の無料化や、乗り換え後もキャリアメールのアドレスを使用できるようにすることなども検討するとしている。

また、大手携帯会社に対しては、格安スマホ事業者に貸している回線使用料の引き下げも求めるとしている。

関係者からは懸念する声も

格安スマホ利用(30代):
そもそも高いので、この流れにのって変えた方が1年、10年で考えるといいと思う。

大手利用(20代):
(今の通信料は?)高いです。安くしてほしい。ただ、値段だけでは変えづらいというのもあるかもしれない。

大手から格安スマホまで扱う携帯ショップの店長からは、こんな懸念も。

携帯の王子様 武蔵小杉駅前店・小財仁統括店長:
料金プランが下がることによって、結果、端末料金が上がったり、オプションサービスが有料化されたり、帳尻合わせで平らになってしまう可能性はある。

小財仁統括店長

政府は、料金プランや乗り換えのメリットをわかりやすく説明する専用サイトを年内にも開設する方針。

国際水準に比べ高いと言われ続けてきた日本の携帯料金。消費者が値下げを実感できるようになる日はくるのか。菅政権の手腕に注目が集まる。

2つの合理化を提案

三田友梨佳キャスター:
IoTNEWS代表の小泉耕二さんに聞きます。
今回のアクションプランで携帯料金は下がるのでしょうか?

IoTNEWS代表・小泉耕二氏:
早々にアクションプランを出してきたという意気込みは買いますが、値下げに繋がるかといえば必ずしもそうだとは思いません
総務省は2007年頃からいろいろな取り組みをしてきていますが、値下げには繋がっていません。

今回、乗り換え費用を無料にしたりとか、「eSIM」の設定を推進したりと、通信料の安い事業者への乗り換えがしやすくなる施策にはなっていると思います。

しかし、現状でも安い事業者がいる中で、大型のキャッシュバックなどわかりやすいメリットがないと乗り換えのきっかけがありません。一方、こうした取り組みは禁止されている状況です。

三田キャスター:
どうしたら携帯料金は安くなると思いますか?

小泉耕二氏:
単純に料金を下げるだけでは他に影響が出る懸念があります。
日本は5Gが遅れていると言われていますが、5Gを進めるためにはこれからかなりの設備投資が必要になります。

これが進まないと5Gを前提とした産業が発展しません。
つまり通信キャリアの利益を下げても、産業全体として必ずしも良いということにはなりません。

そこで、「消費者メリット」と「産業発展」の両方が得られる提案が2つあります。

1つ目が、通信基地局を共同運用することによって5Gのコストを下げるということ。

2つ目が、通信帯域を抜本的に見直して、第4のキャリアとなる楽天の帯域割り当てを増やすことで、競争を加速させることが考えられます。

こういったダイナミックな合理化を進めていくと同時に、新しい端末発表のタイミングなどの際に、乗り換えキャンペーンを実現しやすい仕組み作りを過去の反省を踏まえて、ゼロベースで組み立て直すことも重要だと思います。

三田キャスター:
5Gの基地局の拡大が求められる中での値下げとなると、やはり根本的なところから見直していく必要があるということですね。
値下げと同時に料金形態の簡素化というのも追求していって欲しいと思います。

(「Live News α」10月27日放送分)