熱戦が繰り広げられたミラノ・コルティナオリンピック。ノルディック複合はオリンピック種目からの除外が取り沙汰されていて、現役選手や歴代のメダリストなどが継続を願うメッセージを発信しています。渡部暁斗選手の弟・善斗選手もその一人で、今大会の複合のレースでは、自身の解説をライブ配信し、競技振興につなげようと取り組んできました。

渡部暁斗選手と山本涼太選手が出場した2月19日夜のノルディック複合団体スプリント。

渡部善斗選手:
「暁斗、がんばれ!」

長野市の事務所で、レースを見守っていたのは渡部選手の弟・善斗選手です。

兄のオリンピックラストレースですが、ただ観戦していただけではありません。

(渡部善斗選手のライブ配信)
「1走って、大体3か4のレックで1回仕掛けるんですよ。それを誰がやるかでペースが変わる。ヒルボネン(フィンランド)ってこういう感じなんですよ。まったく力入れずにためていって、急にドカンって出すんです。それに涼太が惑わされなければいいですけど」

行っていたのは、レースの解説のライブ配信です。

自身も過去3度のオリンピックに出場し、北京大会では、団体で銅メダルを獲得。

先日の国体で優勝するなど今も競技活動を続けていて、19日夜は、競技の仲間と一緒に、選手の特徴や見どころなどを解説しました。

ライブ配信を行ったのはある特別な思いがあったからです。

渡部善斗選手:
「人生の半分以上をかけてきたこの種目が今後、五輪からなくなろうとするタイミングで、何も行動しないのは後々後悔しそうだと思った」

冬季オリンピックがスタートした1924年から採用されている「ノルディック複合」。

「ジャンプ」と「クロスカントリー」の両方の技術が求められ、王者は「キング・オブ・スキー」とも呼ばれます。

一方で、競技人口や競技国数が少ないことなどもあり、現在、IOC国際オリンピック委員会で、次回の種目から除外することを含めた議論が行われています。

この動きに、現役選手なども反応。渡部暁斗選手はオリンピック期間中に自身のSNSでこう発信していました。

(渡部暁斗選手のSNS)
「IOCはノルディック複合の存続に対して、TV視聴率にも注目しているので、是非たくさんの方にライブ観戦していただけたらうれしいです」

リレハンメルなど2大会の金メダリストである荻原健司長野市長もー。

長野市・荻原健司市長:
「除外対象になっているのは本当に残念。世界的なノルディックスポーツの普及にも非常に大きくかかわってくること。(全日本スキー連盟などには)正式種目の継続、さらには女子種目の正式採用に向けて、活動を繰り広げていただきたい」

オリンピック種目であることは、選手のモチベーションはもちろん、強化費用の確保など次世代の育成にも大きく影響します。

善斗選手も継続を願っていて「一人でも多くの人に魅力を伝えたい」と解説のライブ配信を行ってきました。

渡部善斗選手:
「まずはいろんな人に見てもらって少しでもプラスに変えていける影響になれば」

19日夜は、兄のオリンピックラストレースでもありました。

(渡部善斗選手のライブ配信)
「戻った!すごい、わかってやっているんだったらこの人(暁斗選手)すごいね、センスの塊ですね。ここでスパートかけても意味ないって思って後ろについて、あの距離だったら恐ろしいことしています」

幼少期から兄弟で同じ競技に打ち込み、良きライバルでもあった2人。

渡部善斗選手:
「自分で今シーズンで終わりと決めてする努力、その葛藤も近くで見てきたので、今、彼が持っている中で一番良いと思っているパフォーマンスを見せてもらえたら」

渡部善斗選手:
「涼太、ラストがんばれ」

日本6位―。

渡部善斗選手:
「3週目までは理想的な展開でメダルもあると思える展開だったので、コンバインドとしての面白さがいっぱい詰まったレースだった。彼(暁斗選手)は桜の花を見てもらったって言ってましたけど、彼の本質は『桜の木』の部分、残した幹がどれだけ太かったかというのをみんなに見てもらえれば僕はうれしい」

今大会も熱戦が繰り広げられたノルディック複合。

善斗選手は、改めてオリンピック種目継続への思いを強くしたようです。

渡部善斗選手:
「いろんなレース展開があって、いろんなドラマがあって全力で突き進んでいる姿が見られる貴重な競技だと思うので、それを五輪競技から外すというのは寂しいことだと改めてこの期間通して思った。次の五輪でも見られる方向で話が進んでくれればうれしい」

長野放送
長野放送

長野の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。