――「お嬢サバ」を実際に食べた方の感想は?

以下のような感想が届いています。

・生のサバはアニサキスが怖くて食べられないが、「お嬢サバ」だったら、安心して食べられた。
・青魚特有の臭みが苦手だったが、「お嬢サバ」は臭みが少なく、食べやすかった。
・サバの白子がこんなに美味しいとは思わなかった。

現在は8種類の魚介類を養殖

――JR西日本では、サバ以外の魚介類も養殖している?

現在、養殖しているのは、マサバの「お嬢サバ」、マガキの「オイスターぼんぼん」、サクラマスの「べっ嬪さくらます うらら」、クルマエビの「とれ海老やん」、トラフグの「大吟雅とらふく」、ヒラメの「白雪ひらめ」、トラウトサーモンの「クラウンサーモン」、本カワハギ(今年の秋冬から出荷予定のため、ネーミングはまだありません)の8種類です。

マガキの「オイスターぼんぼん」はノロウイルスの影響を受けにくいのが特徴です。


――「オイスターぼんぼん」はノロウイルスの影響を受けにくい。これはなぜ?

ノロウイルスも、アニサキスと同様に海を浮遊します。JR西日本の場合は、「お嬢サバ」と同じ、ノロウイルスが自然ろ過された“地下海水”をわざわざ汲み上げ、陸上(外海と隔離した塩田跡地)で養殖しているためです。

「オイスターぼんぼん」(提供:JR西日本)
「オイスターぼんぼん」(提供:JR西日本)

――8種類の魚介類のうち、今、力を入れているのは?

「お嬢サバ」「白雪ひらめ」「クラウンサーモン」です。「お嬢サバ」は、国内初の地下海水を使った陸上養殖のサバで、安心して生で食べられるという陸上養殖の強みが最も発揮できるからで、JR西日本の陸上養殖水産物「PROFISH」の看板商品です。

また、「白雪ひらめ」は寄生虫のクドア、「クラウンサーモン」はアニサキスが付かないため、これらも、陸上養殖ならではの安全・安心を売りにできる商品のため、力を入れています。

「白雪ひらめ」(提供:JR西日本)
「白雪ひらめ」(提供:JR西日本)
「クラウンサーモン」(提供:JR西日本)
「クラウンサーモン」(提供:JR西日本)

――これから養殖をしようと考えている魚介類は?

一般消費者や取引先(飲食店や小売店)の不安や不満を払拭できる、安全・安心な水産物にチャレンジしようと考えており、いくつかの水産物を勉強しています。

アニサキスなどの寄生虫の排除や、鮮度感、安定供給など、一般消費者や取引先が求める理由は様々で、陸上養殖という手法で、それらの課題を解決し、付加価値のあるものを狙っていきたいと思います。

現在、養殖中の「本カワハギ」は典型的な例です。

「本カワハギ」(提供:JR西日本)
「本カワハギ」(提供:JR西日本)

「美味しい肝が安心して、旬以外でも、鮮度良く食べられる、本カワハギがあったら…」という飲食店などの声をもとに、開発したものとなります。

 

陸上養殖によって、安心して生で食べられる「お嬢サバ」。今は購入できる場所が限られているが、今後、販路が広がり、全国的に普及することを期待したい。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。