さらにノビレチンには、がん細胞の増殖や血糖値の上昇を抑制する働きがあることも示唆されていて、慢性リウマチの予防効果も期待されています。
ノビレチンはほかの柑橘類にも含まれていますが、シークヮーサーの含有量はずば抜けていて、温州みかんの約10倍にもなります。
果実の入手は難しいかもしれませんが、果汁100%のジュースを飲んだり、原液を炭酸やお酒で割って楽しむといいのではないでしょうか。
ノビレチンは果皮に多く含まれるので、マーマレードジャムにするのもおすすめです。果皮を乾燥させた陳皮を煎じて飲んだり、粉にして料理に使うという方法もあります。
おすすめ食品:みかん・柚子
みかんや柚子はノビレチンの含有量はあまり多くないものの、皮の内側や薄皮、筋などにヘスペリジンという別のポリフェノールを多く含んでいます。
ヘスペリジンには抗アレルギー作用があることが知られていますが、それは毛細血管を強化して血流を改善する働きによるものだと考えられています。
だとすれば、高血圧や動脈硬化などの生活習慣病の予防効果も十分期待できるでしょう。また、高い抗酸化作用を持つビタミンCの働きを高める作用もあります。
ヘスペリジンも果皮に多く含まれるので、マーマレードジャムや陳皮にして利用するといいでしょう。また、みかんや柚子を食べるときには、薄皮や筋を除かずに食べるのもポイントです。

杉本八郎
薬学者、脳科学者。主な著書に『世界初・認知症薬開発博士が教える 認知症予防 最高の教科書』(講談社)、『認知症研究の第一人者がおしえる 脳がよろこぶスープ』(アチーブメント出版)