私がお伝えしたいのは、「厳格ルールのブロードウェーもついにマスクなし」です。

ニューヨーク・ブロードウェーの劇場では7月からマスク着用義務化が撤廃されます。これまでは飲み物を飲んだ直後、「あごマスク」状態だと係員が飛んで来て注意されるほど厳しかったブロードウェー。

ポイントはこちら、「義務化が続く場所でさえ”なし崩し”に?」注目です!

【注目ポイント・記者解説】

個人的な感触ではあるが、ここ数ヶ月ニューヨークで生活していて、マスクに最も厳しい場所のひとつが、ブロードウェーの劇場だった気がする。少しでもマスクを外していると「MASK UP」と書いた看板を持った係員に注意される。1年半もの間、劇場の灯が消えていたブロードウェーは、その後幾度となくキャスト・スタッフの感染によりキャンセルに見舞われた。

つい5月までワクチン証明の提示が必要とするほど極めて慎重だったブロードウェーもついに今回「マスクは推奨するが義務ではない」との判断に踏み切った。劇場街はすでに観光客であふれているし、人気演目の劇場はほぼ満席状態なので、「客を取り戻したい」というよりも、「ウィズコロナ」に舵を切るしかない、という側面があるように感じる。

日本においても「マスクいつまでするの?」の議論がここ数カ月で聞かれるようになったが、その呼び水となったのは、アメリカの「公共交通機関でマスク義務化なし」の判断だった。実はこの決定がいつまで続くのか不透明だ。

そもそも、4月にフロリダ州の地裁が、フロリダ州の連邦地裁が「義務化の延長は無効だ」との判断を示したことを受け、主要航空各社着用を“任意とする”と、一斉に切り替えたことがきっかけだった。しかし、連邦政府側はこのフロリダ州地裁の判断を不服とし、「やっぱりマスク義務化に戻そう」と、上訴するとしている。要するに、法廷闘争に持ち込まれるため、「マスク一転復活」の可能性もゼロではないということだ。

とはいうものの、現実は、慎重だったブロードウェーも義務化を撤廃したし、本来マスク着用義務化が続いている、ニューヨークの地下鉄を見ても、かなりの人がノーマスクだ。もう「なし崩し的」になっている側面もあり、もう後戻りできない状態になっているようにも見える。

(フジテレビ国際局・中川眞理子)

中川 眞理子
中川 眞理子

“ニュースの主人公”については、温度感を持ってお伝えできればと思います。
社会部警視庁クラブキャップ。
2023年春まで、FNNニューヨーク支局特派員として、米・大統領選、コロナ禍で分断する米国社会、人種問題などを取材。ウクライナ戦争なども現地リポート。
「プライムニュース・イブニング元フィールドキャスター」として全国の災害現場、米朝首脳会談など取材。警視庁、警察庁担当、拉致問題担当、厚労省担当を歴任。