感染者数は減少しているけれど・・・

大曲氏「感染者は減少しているが、依然として極めて高い値」
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「新規の陽性者数は減少しておりますけれども、この値は、依然として第3波のピーク時を上回る極めて高い値であります」 

都内の新規感染者数は9日現在、18日連続で減少し、増加比も5割台まで落ちている。東京都の新型コロナウイルスモニタリング会議では、新規感染者の7日間平均が3290人から1986人に減ったとの分析結果が出された。 

しかし新規感染者数は「依然として高い値」で、重症者数は「未だ第3波のピーク時の1.6倍」として国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は強い危機感を示した。 

10代以下の割合 5週連続増加 

新学期が始まる中、感染者の中で10代以下の割合が5週連続で増加しており、学校生活での感染予防対策の徹底が求められるとの指摘も出された。 

西田氏「夜の会食自粛が感染者減少につながった可能性も」

夜の会食自粛で感染者数減少か 

「多くの人々が夜の会食を控えるなど、具体的な協力を続けていることが感染者数の減少につながっている可能性があります」 

夜の繁華街の人出は6月末からお盆まで7週連続で減少。お盆明け2週間は増加したものの、直近1週間は減少。 東京都医学研究所社会健康医学研究センターの西田淳志センター長は、お盆まで7週連続で人出が減少していた例を挙げて、夜の会食自粛が感染者数減少につながった可能性があるとの見方を示した。 

入院患者数と重症患者数も高い水準 

「累積した入院患者数と重症患者数は過去最多を更新したのち、高い水準にとどまっております」 

東京都医師会の猪口正孝副会長はさらに、新規陽性者が再増加したら医療提供体制は危機的状況となる、と述べ危機感の共有を訴えた。 

猪口氏「新規感染者が再増加したら医療提供体制は危機的状況に」

抗体カクテルで95.2%が回復 

東京都は、抗体カクテル療法を受けた1048人の中で、14日以上経過した420人の分析結果を公表。420人のうち、改善しなかったのは19人、死者は1人で、残る95.2%は回復したという。

改善しなかった患者19人については、このうち15人がワクチン未接種。年代別で見ると大半が50代以上だった。一方で、回復した患者の41.5%が投与から2日後までに回復したとのこと。

日本ではブレイクスルー感染はまれ

「日本は、ブレイクスルー感染はおきてはいるものの、まだ非常にまれです」 

和歌山県では、ワクチン接種1回で感染者数が55%減り、接種2回で93%減ったとのこと。これは大阪大学免疫学フロンティア研究センター招へい教諭の宮坂昌之氏が発表したもので、高齢者は抗体生産量に個人差が大きいので、抗体値を測る必要があるとも指摘した。 

9日のモニタリング会議では「ブレイクスルー感染」「交差接種」についても報告が

交差接種を広げるべき 3回目接種は減らしても大丈夫 

「アストラが一番低くて、あと他のコンビネーションはほぼ同じ」 

また宮坂氏は、アストラゼネカ社製、ファイザー社製、モデルナ社製のワクチンを様々に組み合わせる「交差接種」について、アストラゼネカ製のワクチンを2回打つより、ファイザー社製、モデルナ社製と組み合わせた方が強い免疫効果をもたらす、というイギリスのグループの研究を紹介した。

その上で「交差接種を広げるべき」との考えを示した。 また、免疫の原理から考えると、3回目以降、接種量を減らしても大丈夫のはずとも述べた。

宣言解除後の酒類の提供は? 

「シルバーウィークと宣言明けの1日が心配だ」 

緊急事態宣言の延長が決まったばかりだが、都庁内からは、18日からの連休“シルバーウィーク”の旅行や会食でのリバウンド、宣言解除後の飲食店での酒類提供について懸念の声がきかれる。 

宣言解除が見えてきたが、秋のシルバーウィークの人出に懸念。東京都の出口戦略は。

特に、「緊急事態宣言」から移行されるであろう「まん延防止等重点措置」では、酒類の提供について「知事が判断する」とされる見通しだ。しかし、どういう基準で、どのような段階を踏んで“酒解禁”となるのか。我慢の限界を超えている飲食店に納得してもらえる方法があるのか。 東京都の“出口戦略”は今後の感染状況と医療提供体制をにらみつつ、非常に難しい判断となる。 

フジテレビ社会部・都庁担当 小川美那