27日に公示された衆院選(2月8日投開票)は定数465議席(小選挙区289、比例代表176)で、有権者はそれぞれ「小選挙区」と「比例代表」の2つの投票を行う。そのため、投票所に行くと、候補者名を書く票と、政党名を書く票の計2枚の投票用紙を受け取る。
なぜ、こうした複数の制度を組み合わせているのか。その経緯を解説する。

小選挙区制とは?

まず、小選挙区制は、全国を289の選挙区に分け、それぞれの選挙区で最も多くの票を得た候補者1人のみ当選する仕組みだ。有権者は投票用紙に「候補者名」を記入して投票する。

有権者にとって誰が地域の代表なのかが分かりやすいことがこの制度の特徴だ。選挙区ごとに当選者が一人に絞られるため、候補者と有権者の距離が比較的近く、地域の課題を国政に反映させやすいとされる。

一方で、得票が僅差であっても、次点以下の票は議席に結びつかない。「勝者総取り」になりやすく、得票率と議席数が必ずしも比例しないという点や、当選者以外に投じられた票は議席に結びつかないため「死票」が多くなりやすいという課題もある。

比例代表制とは?

比例代表制は、政党(または政治団体)に投票し、得票数に応じて議席が配分される。衆議院では176議席が比例代表で選ばれ、全国を11のブロックに分けて実施される。

有権者は「政党名」を記入し、その政党がどれだけ支持されたかが議席数に直接反映されるのが特徴だ。少数意見や比較的小規模な政党への支持も、一定の得票があれば議席として国会に反映されやすくなる。

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一方で、どの候補者が当選するかは、各党があらかじめ提出する名簿の順位などに左右される。有権者にとっては、個々の候補者よりも、政党の政策や理念が選択の軸になりやすい制度といえる。

また、小選挙区で敗れても、比例代表に重複立候補していれば、比例の枠で当選する「復活当選」となる場合がある。

なぜ二つの制度?

現在の小選挙区比例代表並立制の導入は1996年の衆院選からで、それ以前は「中選挙区制」を採用していた。

中選挙区制では、一つの選挙区で同じ党から複数の候補が立候補し、議席を争っていた。選挙区の面積も広かったため、支持を広げるためには多額の資金が必要になることや、政権交代が実現しにくい点、汚職政治を招きやすいことなどが問題として指摘されてきた。

こうした反省から選挙制度改革が行われ、小選挙区制を中心に、比例代表制を組み合わせる形へと移行した。

小選挙区制と比例代表制を併用しているのは、それぞれの長所を生かし、短所を補う狙いがある。

小選挙区制は「地域代表」を明確にし、政治の安定性を高めやすい。一方、比例代表制は「民意の多様性」を国会に反映しやすい。

一方、現状の制度を導入して30年が経過し、議員定数の削減や、中選挙区の再導入など時代にあわせた選挙制度の在り方を検討する議論が続いている。

プライムオンライン編集部
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