あなたの会社にも、こんなメールが届いているかもしれない。業務命令を装い、指定した口座に送金をさせる詐欺がいま増加している。
■社長からのメール?
2026年1月、福島県福島市の会社に一通のメールが届いた。
「今後の業務プロジェクトに対応するため、新しいLINEのワークグループの作成をお願いいたします」
「グループへの他のメンバーの追加は、私が参加した後に行います」
差出人には、会社の社長の名前が記載されていた。しかし、本文には中国語の文章もあった。
社員は「ちょうど社長が出社するタイミングだったので、社長本人に確認した。完全におかしなメールが届いているという認識ができた」と語る。
これが、実在する社長を装って従業員にメールを送り現金をだまし取る、いわゆる「ニセ社長詐欺」だ。
ニセ社長による詐欺メールがいま、福島県内でも確認されている。
■ニセ社長詐欺の手口
実際に「ニセ社長」とやりとりを始めるとどうなるのか?福島県警察本部のサイバー犯罪対策課・大津聡さんに聞いた。
「メールに従いグループチャットを実際に作ってしまうと、今度はチャットの中に社長に成りすましたアカウントがいて、会社の口座情報を送って欲しいとか、チャットグループに財務担当者を入れてほしいという指示が来る。最終的には手続きはあとでいいので、この口座にお金を振り込んで欲しいという指示がなされて、会社のお金をだまし取られてしまう」と大津さんはいう。
他にも、社員の役職や名前が載った名簿を要求するメールもあるという。
■社内のルール徹底を!
福島県内でも数千万円の被害が確認されているという「ニセ社長詐欺」。
福島県警察本部は、被害を拡大させないための対策と注意を呼び掛けている。
サイバー犯罪対策課の大津さんは「社内において、ネット送金やSNSを使った用務指示の場合のルールを再徹底・確認してもらう。特に高額の送金については、1人で判断せず一旦立ち止まって、本当に必要なものかを複数人で相談して確認していくことが大事」と話す。
「至急」などと対応を急かし、心理的にも追い詰めてくる「ニセ社長」。本当の社長かどうか、冷静に見極めることが大切だ。