2026年1月22日、福島県郡山市のJR郡山駅前で、静かに捧られた祈り。一人の女性が1年前にこの場所で亡くなった。「娘の死を無駄にしないために」それが遺族の願い…飲酒運転の根絶に向けて取り組みが進められている。
■警察は検問・取り締まり強化
2025年1月22日、大阪府から大学受験で訪れていた10代の女性が、JR郡山駅前の横断歩道で飲酒運転の車にはねられ死亡した。
事故が「歯科医師になる」という女性の夢も、家族との未来も奪った。
被害女性の母親は「娘の死を無駄にしないためにも、飲酒運転や悪質な違反による交通事故が減っていくことを祈っています」と話す。
事故のあと、警察が検挙した飲酒運転の件数は140件。その数をゼロにするため、毎月22日には福島県内全域で検問・取り締まり強化するなど取り組みを続けている。
■市民は一周忌の供養
「深い悲しみと憤りを与えたこの事件に、今日生きていく我々一人一人が責任を深く自覚し、飲酒運転撲滅祈願さらには交通安全を祈願し奉る」
地域の人々が行った供養。二度と同じような事故を繰り返させない、飲酒運転根絶への誓いだ。
参加者からは「もしかしたら大学に通って、この街に住んでたかもしれない。申し訳ないという気持ちが市民としてある」「当たり前のことを当たり前に出来る人、自分に甘えないようなドライバー、運転に限らず自分に甘えないって気持ちで日々生活することが大切」という声が聞かれた。
飲酒運転によって奪われた、若い命を忘れてはいけない。
■危険運転 法改正の動き
飲酒運転が招いたこの悲惨な事故を二度と繰り返してはいけない。運転手は「危険運転」の罪に問われ、懲役12年が確定した。この「危険運転」については法改正の動きも出ている。
危険運転致死傷罪は、飲酒運転や著しいスピード超過など、特に悪質な運転を対象に、最長で拘禁20年が科される。
現行の法律では、成立要件に「制御が困難な高速度」や「飲酒などで正常な運転が困難」など表現があいまいな部分があり、どこからが危険運転なのか、裁判で判断が分かれてきた。
■危険運転の数値基準案
こうした要件の見直しを議論する審議会では、数値基準を明記した案が示されている。
速度については【一般道など(最高速度60キロ以下の道路)では制限速度に対して50キロ】【高速道路など(最高速度が60キロを超える道路)では60キロを超えて】死傷事故を起こせば、一律に危険運転を適用。
また飲酒量は、呼気1リットル中のアルコールが0.5ミリグラム以上の場合に適用などとしている。(※例:ビールを大瓶2~3本摂取した状態に相当するよう)
これに対し被害者遺族などの団体は「甘すぎる」として、より厳しい数値基準にするよう要望している。
「酒を飲んで運転をしない」当たり前のことを守れば、飲酒運転はなくなる。