2022年に安倍元総理を手製の銃で撃ち、殺害した罪などに問われている山上徹也被告(45)に対し、奈良地方裁判所(田中伸一裁判長)は、「無期懲役」の判決を言い渡しました。
奈良地裁は判決で「旧統一教会や関係団体に恨みを抱いても殺人行為で生命を奪う意思決定は大きな飛躍がある」などと指摘し、弁護側が主張した「宗教被害」を理由とした情状酌量はしなかった形です。
■弁護側「宗教被害が事件につながった」も「生命奪う意思決定は大きな飛躍」
裁判で山上被告は起訴内容について「全て事実です。間違いありません」と認めるともに弁護側は、母親が高額な献金を繰り返すなどした旧統一教会への信仰が事件につながったとする「宗教被害」を訴え、刑を軽くするよう求めていました。
これに対し判決では、「旧統一教会への複雑な感情が怒りに転じたことも理解不可能とは言えない」としながらも、「旧統一教会や関係団体に恨みを抱いても殺人行為で生命を奪う意思決定は大きな飛躍がある」など指摘しました。
さらに「聴衆がいる中、被告が銃が発射したことについて被害者や関係者らに弾丸が当たる可能性は十分あった」などとして、「犯行の悪質性は明白」と判断しました。
■手製銃は「危険性は高い」山上被告が「殺傷能力を認識していた」と認定
そして手製銃については、製造に至るまでの計画性を厳しく指摘するとともに、威力の強さを「危険性は高い」と評価するとともに「殺傷能力を認識していた」と認めました。
【判決内容より】「さらに銃を1年半かけて作成したり、試射したりするなどしていて、被告は威力の大きさを認識。計画性は極めて高い」
<「手製銃」の威力について>
【判決内容より】「銃の威力は20ジュール/平方センチメートルが殺傷能力あると認められるが、それを大幅に超えて、十分な殺傷能力を有していた。弾丸の1つは、骨の中でも特に固い、右上腕骨にめりこみ、骨折させた。
手製銃の威力は、被告は『命中したとしても、死なないかもしれない』と供述していたが、客観的に見れば、工業製品と同程度で、危険性は極めて高い。
至近距離から発射すれば、20ないし30枚の合板を貫通するという供述は、試射の動画などからして、被告が工業製品より、威力が不十分だと思っていたとしても、高い殺傷能力があるという事実は十分に認識していた」