「伊藤博文の直筆」

こちらはソウル中心部にある、日本統治時代に建てられた韓国銀行の旧本店です。正面に設置してある碑石(礎石)に刻まれたこの「定礎」の文字が、伊藤博文の直筆と確認され、波紋を呼んでいます。初代韓国統監を務めた伊藤博文に対し韓国では、「朝鮮半島を侵略した元凶」と否定的な見方が強く、一部の与党議員が「碑石を撤去するべきだ」と主張しているんです。一方、「負の遺産として残し歴史の教訓とするべきだ」との声もあります。韓国銀行は今後、政府と協議しながら扱いを決めるとしていますが、親日清算を掲げる文政権の下、世論の風向き次第で、碑石が撤去される可能性があります。(ソウル支局 川崎)

伊藤博文の直筆であることが確認された韓国銀行旧本店の礎石に刻まれた文字
伊藤博文の直筆であることが確認された韓国銀行旧本店の礎石に刻まれた文字
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“VOTE”ブランドが人気

こちらは、ジーンズで有名なリーバイスですが、ショーウィンドーに飾られているのは「VOTE=投票しよう」のロゴがついた洋服です。大統領選まで2週間を切る中、マスクからベビー服まで、街にはVOTEファッションがあふれています。火付け役はオバマ前大統領夫人のミシェルさんが身につけたネックレス。バイデン前副大統領夫人もVOTEブーツを履くなど、どちらかというと民主党関係者が多く着用している印象です。前回の選挙より格段に数が増えたVOTEアイテムですが、実際の投票率はどこまで上がるのか、選挙戦は大詰めを迎えています。(ニューヨーク支局 中川)

投票所周辺の混乱に備え

ホワイトハウスの近くにあるこちらのオフィスビルは、窓が割られないよう板張りになっています。人種差別への抗議デモの際、破壊を避けるために張られたもので、ビルのオーナーたちは年末までこの防御策を続けるとしています。なぜなら、間近に迫った大統領選挙でトランプ派と反トランプ派が衝突する恐れが高まっているためです。郵便投票で不正が起きると主張するトランプ大統領は、各地の投票所に5万人の「選挙監視員」を派遣する構えです。一方、民主党のバイデン候補も接戦州を中心に「選挙監視員」を投入する計画で、投票所周辺での混乱も懸念されています。(ワシントン支局長 藤田)

投票箱が火災

大統領選の郵便投票が進む中、投票箱に火がつけられ、投票用紙が燃やされるという事件が起きました。何者かが火の付いた新聞紙を入れた疑いがあり、FBI=連邦捜査局が捜査に乗り出しています。箱の中には200人分以上の投票用紙が入っていたとみられ、近所の男性は、「投函した自分の投票用紙がどうなったのか教えてほしい」と心配していました。既に3000万人以上が投票を終えたとされ、記録的なペースで進む郵便投票。勝敗の大きなカギを握る一方で、集計の遅れなど様々なトラブルも懸念されています。(ロサンゼルス支局長 益野)

教会に響く美声

教会に大変美しい声が響いています。男性アンサンブルグループ「ザ・キングズ・シンガーズ」のリハーサルが行われています。ケンブリッジ大学の聖歌隊のメンバー6人が1968年に結成したグループで、メンバーチェンジを繰り返しながら活躍を続けています。聖歌からポピュラーまで幅広いレパートリーを誇り、グラミー賞を2回受賞するなど、日本にも多くのファンがいます。新型コロナウイルスの影響で今年の来日公演は中止になりましたが、24日に開かれる初のオンライン日本公演に向けてメンバーは意欲満々です。「ザ・キングズ・シンガーズ」のジュリアン・グレゴリーは「パンデミックの間も強くあってください。そしてまた会えることを祈っています」と話しています。(ロンドン支局長 立石)

日仏共同修復プロジェクト

セーヌ川に沈んでいた世界的建築家、ル・コルビュジエが設計した船。日本人建築家らの手によって水中から引き揚げられ、復旧作業が始まりました。もとは石炭運搬船だったのを、第一次世界大戦後にル・コルビュジエが難民の避難場所に改装し、1995年まで使用されていました。その後は老朽化などのため放置されていましたが、設計に日本人建築士が関わっていたことから、日仏共同の修復プロジェクトが始まりました。2年前に川の増水で船が沈んでしまったものの、このほど引き揚げに成功。今後は、設計された当初の状態に復元され、絵画の展示施設などとして復活を遂げる見通しです。(パリ支局 藤田)

ガス田の権益

地中海でいま、ガス田の権益をめぐる緊張が激化しています。東地中海では2010年ごろから天然ガス資源が相次いで見つかり、沿岸諸国がその権益を争っています。トルコが2019年に探査船による本格調査に乗り出すと、隣国のギリシャとキプロスがこれに猛反発。トルコとギリシャがそれぞれ軍事演習を行ってけん制しあい、一触即発とまで言われました。その後、ドイツが仲介に乗り出したものの、トルコが一時は引き上げた探査船を再び派遣したため、対立が再燃しました。トルコに対し制裁を検討しているEUも一枚岩ではなく、情勢の悪化が懸念されます。(イスタンブール支局長 清水)

「iPhone」が人気の職場

最新のiPhone12が中国でも発売となり、北京のアップルストアには行列ができています。アップルのライバルでもある中国の通信機器大手・ファーウェイがアメリカ市場から閉め出される一方、中国ではiPhoneが3000万台以上売れていて人気は健在です。最新のiPhoneがつくられている江蘇省の工場は9月初めから24時間体制のフル稼働。残業やボーナス支給もあり、新型コロナウイルスで多くの失業者が出る中、現地で人気の職場となっていました。大統領選挙で加熱するアメリカの中国批判ですが、経済面では切っても切れない関係が伺えます。(北京支局 岩佐)

医療機器の展覧会

上海では10月19日から4日間、医療機器を集めた展覧会が開かれています。大変多くの人で賑わっています。音声ガイダンスにそって健康診断を受けることができるこちらの機械。さらにオンラインで医師の診察を受けられるシステムとキャッシュレスで薬が購入できる販売機がセットになっています。過疎地対策だけでなく、「非接触型」で医療現場での感染防止にも活用が期待できます。またAIを使って、新型コロナウイルス感染のごく初期段階でも画像診断が可能だというシステムも登場。感染症対策の強化が急がれる中、メーカー各社の開発競争は激しさを増しています。(上海支局 森)

非常事態宣言解除でも・・・

連日、反政府集会が開かれる中、タイ政府は「状況が落ち着いた」などとしてバンコクでの集会を禁止した非常事態宣言を解除しました。反政府グループは警察による封鎖を避けるためSNSを使って直前に会場を発表する方法で、ゲリラ的に集会を開催してきました。対応に苦慮したタイ政府は非常事態宣言の解除に加え、臨時国会で対応を話し合う方針で対話による歩み寄りの姿勢を示しています。しかし、反政府グループが求める首相の辞任や王室改革などを受け入れる様子はありません。反政府グループは引き続き集会を開く構えで収束は見通せないままです。(バンコク支局 武田)

【取材:FNN海外特派員取材班】

国際取材部
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