炭火でじっくりと焼き上げるとジューシーに。
お寿司にしても濃厚な脂のうまみを楽しめる冬の味覚「寒ブリ」。

埼玉・上尾市の寿司店「金沢まいもん寿司 まるひろ上尾SC店」では16日、山口県産の天然の寒ブリが入荷しました。
寒ブリを食べた客は口々に「おいしい」と話していました。

一方で、店にはある苦労があるといいます。

金沢まいもん寿司 首都圏エリア部長・小池寿夫さん:
私たちは金沢の会社なので北陸の(ブリ)を入れたいが、(北陸は)今年、水揚げが非常に少なくて、きょうは山口県・萩産。当たり前のようにこの時季、北陸の寒ブリを使っていたが、今年は仕入れ含めて非常に苦労している。

全国有数の寒ブリの産地、富山・氷見市では不漁続き。
水揚げ量は平年の4割にとどまっています。

安定した出荷の見込みが立たないことから、例年12月上旬ごろには出されている「ひみ寒ぶり宣言」は今シーズンまだ出されていません。

氷見漁協は「(宣言の)めどが立たない。今後どうなるか分からない」と話していて、このまま「ひみ寒ぶり宣言」が出されなければ、2015年度以来、10年ぶりの異例の事態です。

一方、同じ北陸でも様子が異なっていたのが福井・美浜町の日向漁港。
7日、今シーズン一番の大漁に港が活気づいていました。

日向定置網組合・高橋武一組合長:
大満足。待ちに待った、恋い焦がれたブリがやってきた。

今シーズンの寒ブリの漁獲量は、2025年と比べると振るわない日々が続いていましたが、今回の大漁でようやく例年並みに近づいたとしています。

なぜ同じ北陸で大きな差が生まれているのか、水産研究・教育機構の倉島陽主任研究員は「ブリは14~17度くらいを好んで、大体その水温を泳ぐ。福井県沖は去年12月は前年より水温は高めに推移していたが、年が明けて水温もぐっと平年並みに下がってきた。沖の水温が下がり、押されるように沿岸にブリが寄ってきたのでは」と分析しています。
一方、氷見の不漁については、「氷見だけではなく、石川県の富山湾に面する辺りも不漁。富山湾はくぼんだ構造。誘導される場所の水温が大きく影響している可能性がある」と話しています。