アメリカのトランプ大統領は12日、抗議デモが続くイランと取引を行う国に対し、25%の追加関税を課すこと発表しました。

イランでは大規模な反政府デモが続いていて、ノルウェーに拠点を置く人権団体は、治安部隊などとの衝突で少なくとも648人が死亡したと発表しました。

こうした中、トランプ大統領は12日、SNSで「イランと取引を行う全ての国は、アメリカとの全ての取引で25%の関税を支払うことになる」と発表しました。

追加関税は「即時に実施される」としていて、イランへの軍事介入を示唆する中、まずは「二次関税」で経済的な圧力を強めた形です。

アメリカの対応が注目される中、ウォールストリート・ジャーナルは12日、バンス副大統領らが外交的解決を提案していると報じました。

トランプ大統領は13日に政権幹部と対応を協議する予定としていて、判断が注目されます。

大規模な反政府デモが続いているイランですが、トランプ大統領が軍事介入を示唆したことについて、イランの外相は戦争の準備はできていると発言しています。
軍事衝突はあるのか、フジテレビ・立石修解説委員とお伝えします。

そもそもなぜイランで抗議デモが拡大しているのか見ていきます。
イランの現在の最高指導者はハメネイ師です。
そして抗議デモが2025年12月末から、通貨の暴落や物価高騰をきっかけに始まり、その後、イラン全土に拡大しました。
次第に反体制色が強まっているわけです。

こうした中で、トランプ大統領がイランへの軍事介入を示唆し、SNSで「デモ参加者を殺害すれば彼らを救うために行動する」と投稿しました。

青井実キャスター:
立石さん、収まる気配はあるのかですが、少なくとも648人が死亡しているわけです。

立石修解説委員:
現在イランではインターネットが遮断されているため不透明な部分が多いのですが、年末、首都のテヘランで始まったものが年明けに向けて急速にイラン全土に拡大していったと。今までのところ非常に勢いづいているといえると思います。その背景としては、経済制裁の影響が市民生活を直撃している。これに対する不満が非常に高まっている。これに加えて一連の2年間のイランとイスラエルとの衝突で、イランの軍事力の弱体化が露呈して締め付けが弱くなっている。さらに大事なのは、トランプ大統領による抗議活動を支持するような発言。これがデモ隊の後押しをしている可能性は非常に高いと思います。アメリカのブルームバーグというメディアは、今のところどうなるか分かりませんが、イラン政府の政権転覆があるということについても言及しているんです。

そして、もう1人キーパーソンがいます。
国民にデモを呼びかけたイランの元皇太子・パーレビ氏です。

パーレビ氏は今、アメリカに亡命していますが、SNSでトランプ氏に対し「国民を助けるためにイランに介入してくれ」と呼びかけをしています。

青井実キャスター:
こうやって見ると、トランプ氏とパーレビ氏は足並みが一致しているということですか?

立石修解説委員:
2人ともイランの反米体制の転覆というものを狙っている点では利害が一致しているんですが、パーレビ元皇太子がイランに戻って王政が復活するということは若干考えにくいかと思います。ただ、トランプ大統領が抗議活動を加速化させるためにパーレビ氏を利用するというか、そういうことは考えられるかと思います。

宮司愛海キャスター:
こうした背景があってトランプ大統領は軍事介入を示唆しているということですが、立石さん、実際にアメリカが軍事介入する可能性はどのくらいあると思いますか?

立石修解説委員:
今は軍事攻撃というものをちらつかせながらイランに圧力をかけている段階だと思います。ですが、アメリカは去年6月にもうイスラエルとともにイランの核施設を攻撃した。バンカーバスターという巨大な地下貫通型爆弾を使用していて、こういった限定的な軍事行動に出る可能性はあると思います。

宮司愛海キャスター:
アラグチ外相も戦争の準備はできているとする一方で、対話に応じる姿勢も示しているわけですが、今、立石さんが言ったようにイランには核施設もある核保有国でもある。実際に核を使う可能性はどうみますか?

立石修解説委員:
イランが使用可能な核兵器を開発したという情報は今のところありません。ただ、イスラエルなどはイランが急速に核兵器の開発を進めていると指摘しているんです。トランプ大統領の最大の狙いというのは、核兵器開発の阻止と反米政権の転覆であると。ベネズエラのマドゥロ氏の拘束によって、トランプ氏も現在自信を深めているといわれています。現在のイランで起きている混乱を最大限利用する可能性はあるかと思います。

青井実キャスター:
山口さん、年が明けてベネズエラのこともあり、今回またイランのこともありますが、トランプ氏の動きをどうみますか?

SPキャスター・山口真由氏:
ドンロー主義なのに何で中東に介入するのかと思ったんですけど、ベネズエラとイランの共通点としては、どちらも中国に非常に安い原油を輸出している供給先なわけですね。ということで、イランの取引先に25%関税って実質、中国への関税だと思うので、そういう意味で、中国とアメリカの自らの勢力圏を巡る戦争というのはいろんなところで続いているんだなと見ていますね。

青井実キャスター:
立石さん、今後ですが、この辺りはどうなっていくんでしょうか?

立石修解説委員:
軍事介入となると泥沼化の恐れもありますので、トランプ氏としては、イラン国内の動きによって体制が弱体化するとか、転覆があるとか、そういうことが望ましいかと思います。イランは先ほどネットの使用が制限されていると言いましたが、今、たもとを分かったといわれるイーロン・マスク氏とスターリンクの衛星を使ったインターネットシステムをイランで使えるようにしようという話し合いをするという報道もありますので、今後も情勢を注視していく必要があると思います。

青井実キャスター:
13日に政権幹部とイランへの対応を協議する予定だとも報じられているので、この辺りの対応が注目ですね。