勢いがものすごい!回転するカワウソ
器用な手先と、丸い顔につぶらな瞳が魅力の、動物園などでも人気のコツメカワウソ。
コツメカワウソは、東南アジアに生息しており、水かきもあって泳ぐのが得意だというイタチ科のほ乳類。名前の通り手足の爪が小さく存在している。

そのコツメカワウソが物凄い勢いで回転していると今、話題になっている。まずはその様子を見てほしい。
福岡市動物園名物回転カワウソ pic.twitter.com/nurxtknEsg
— はらの (@racco2ca) October 13, 2020
「福岡市動物園名物回転カワウソ」とのコメントとともに、はらのさん(@racco2ca)が投稿した動画だ。そこには、天井からぶら下がっているロープに食いつき、大きく体全体を回転させているコツメカワウソの姿が。

揺れ回るにも関わらずロープを離さない様子から相当の執着を感じるが、動画では20秒で35回転ほどした後、ロープを放し投げ出されるように地面に着地。何事もなかったように去っていってしまった。

この勢いのあるコツメカワウソの様子に「めっちゃ笑いました(笑)」「癒やされます」「凄いね~」といったコメントが寄せられ、2万6000のいいねを集めている(10月27日時点)。
たしかにずっと見ていることができそうな、回転するカワウソの姿。実際に見た時はどうだったのだろうか? 投稿者のはらのさんに撮影時の様子などを聞いてみた。
回って落ちて水場を泳いでまた回って…を繰り返していた
ーー回転カワウソを撮影したときの様子を教えて
カワウソコーナーに立ち寄った際は既に回っていました。当時はオスグループが出ていたので3匹?ぐらいが展示に出ていましたが、回って落ちて展示内の水場を泳いでまた綱に掴まって回って……を繰り返していました。
何度もやっていたので他のお客さんは特に注目するでもなく「カワウソが回っているね~」くらいの盛り上がりでした。(※あくまで主観です)
ーー回転カワウソを見た時、どう思った?
回転カワウソ自体は以前から何度かメディアで取り上げられていたことを知っていたので、今でも景気よく回ってるんだなぁと感心しました。アスリートのようにストイックに綱に挑む姿を見ているとやはり元気が出ますね。

はらのさんは、この動画を撮影した福岡市動物園に定期的に通っているそうで、「カワウソはいつ行っても誰かしらが回ってるので毎回見かけてはいます」と、かなりの頻度で回転カワウソを目撃しているという。
しかし、そもそもなぜコツメカワウソは回転していたのだろうか? そして、あんなに回転して体は大丈夫なのだろうか? 福岡市動物園・コツメカワウソ担当の永尾英史さんに話を聞いた。
「目は回っていないと思われます」
ーーなぜ、カワウソはロープに食らいついて回転していた?
もともとカワウソは遊びが好きな動物で、そこにロープがあったことで自然とぶらさがり回るようになったと推測されます。

ーーかなりの勢いで回っているが、目が回ったり、体に影響はない?
回ったあとにフラつくこともなくすぐに走り出すので、目は回っていないと思われます。また、特に影響がある様子は見られません。結構楽しそうに回っています。
ーーどれくらいの頻度このようなことをするの?
放飼場と寝室にそれぞれ1本ずつロープがあり、頻繁に行います。

福岡市動物園には現在、母親・リラと父親・ふく太の家族である、7頭のコツメカワウソを飼育している。初めにリラが回りだし、その後に家族全員もマネして遊ぶようになったという。
回転技名「ダイナミックトルネード」
ーーこれは福岡市動物園だけのカワウソがするの?
他の園でやっているのは聞いたことはありませんが、それぞれの園館でオリジナルの技があるとは聞いています。
ーー回転するカワウソを見る来園者の様子は?
動画や写真を撮られていることが多いです。「また回っているよ」という言葉はよく耳にします。名物になって取材も増えて、集客につながっているので良かったと思います。

ーーちなみに、カワウソの魅力はどこ?
食べる姿と寝る姿のギャップにやられます。食べている姿は歯をむき出しにして少し怖いですが、無防備に寝ている姿はずっと見ていられます。特にへそ天(お腹を上に向けて)で寝る姿は可愛いです。

なお動物園ではこの回転する様子を「ダイナミックトルネード」と名付けているという。
他にも、さまざまな動物と出会える福岡市動物園へ、一度訪れてみるのもよさそうだ。ロープで遊んでいる無邪気な様子だけでなく、さまざまな顔を見せてくれるというコツメカワウソたちが、家族の名物芸で出迎えてくれることだろう。
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