22日の夜、東京・練馬区のマンションで27歳の会社員・中窪新太郎さんの遺体が発見された事件。
遺体には10カ所以上の刺し傷や切り傷があり、警視庁は殺人事件と断定し捜査しています。
中窪さんの遺体が発見されるきっかけとなったのが、先週、西東京市の住宅で母親と息子3人が亡くなった事件です。
この母親の車から、中窪さんの携帯電話が見つかったことが分かりました。
2つの事件にどのような関連があるのでしょうか。
12月19日、東京・西東京市の自宅で36歳の母親と息子3人が死亡した事件。
帰宅した夫が鍵を開けようとしたところ、「玄関にチェーンがかかっていて、中から物音がする」などと110番通報したことで事件が発覚しました。
警視庁が無理心中を図ったとみて捜査を進める中で、事件は意外な展開を見せます。
自宅とは別に母親が自分名義で契約していたマンションの部屋があることが発覚したのです。
母親が借りていたマンションは自宅から約5.5km離れた練馬区内にありました。
警察がマンションに到着したところ、亡くなった母親の知人がマンションの一室から遺体で見つかりました。
このマンションの部屋から遺体で見つかったのが27歳の会社員・中窪新太郎さん。
遺体が発見されたのは寝室にあるクローゼット。
扉の四隅は養生テープで目張りされ、その中にもたれかかれるような姿勢で発見された中窪さんは、腹や背中、太ももなど十数カ所に刺し傷があり、警視庁は殺人事件と断定しました。
クローゼットの目張りについて、元埼玉県警捜査1課の佐々木成三さんは、「目張りですね、リビングに目張りをしているその意味は何なのかというと、過去の捜査経験だと、臭いを防ぐために目張りをしていたということも十分考えられる。何度も出入りしている人物というのが疑わしいというようには感じる」と指摘します。
マンションは2025年3月下旬に契約していて、中窪さんと母親は交際関係にあったとみられます。
2人の様子について、同じフロアの住民は「今年の夏に、うちの嫁が部屋から2人で出てくるところを後ろ姿を見た。女性の方は赤い髪色の感じの若そうな方だと聞いた。『一緒に住んでるんだろうな』という話を2人でしていた」と話します。
さらに、同じフロアの住民によると、部屋にあるクローゼットは人が入れるほどの奥行きがあるといい、「中は(高さ)2メートルくらいあって、奥行きが1メートルくらい、横幅が1.5メートルくらい。間取りは1DKで11万くらい」と話していました。
その後の捜査関係者への取材で、発見当時の中窪さんは長袖のシャツに下着姿、ベッドには血痕が残っていたことが分かり、寝込みを襲われた可能性があるということです。
なぜ中窪さんは母親名義のマンションの室内で遺体となって発見されるに至ったのか。
遺体で発見される8日前の12月14日、中窪さんはマンションに出入りする姿が防犯カメラで確認されていて、この時以降に殺害されたとみられます。
また、12月16日には、中窪さんの仕事用の携帯電話から会社の上司に対し「体調不良で休む」といった内容のメッセージが送られていたことも分かりました。
一方で、この仕事用の電話を含む中窪さんが所有する複数台の携帯電話が、母親の自宅や車両から発見されたということです。
交際関係とみられていた母親と中窪さんの事件の関連は…。
警視庁は2つの事件の経緯について調べています。