北海道砂川市でヒグマを駆除したハンターが猟銃所持の許可を取り消され処分は不当だとして、北海道に処分取り消しを求めている裁判で、最高裁は2026年2月に上告審弁論を開くことを決めました。

 処分を適法とした高裁判決が見直される可能性があります。

 この裁判は、2018年8月21日、ハンターの池上治男さんが、砂川市宮城の沢でライフルを発砲し、クマ1頭を駆除したところ、建物に届く恐れのある方向に撃ったなどとして、翌年、北海道公安委員会から猟銃の所持許可を取り消されました。

 これに対し池上さんは、道公安員会の判断が裁量権を逸脱・濫用したものだとして、処分の取り消しを求めていました。

 2021年12月の札幌地方裁判所の一審判決では、廣瀬孝裁判長は「処分は妥当性を欠き裁量権を濫用・逸脱したものだ」として池上さんの主張を認め、道の処分を取り消しました。

 これに対し、判決を不服とした道公安員会側が控訴していました。

 2024年10月18日、札幌高等裁判所で開かれた控訴審の判決公判で、小河原寧裁判長は「ヒグマに命中したとしても、跳弾により弾道が変化するなどして、周辺の建物5軒に到達する恐れがあった」とした上で「本件発射は建物等に向かってする銃行為に当たる」などとして、一審判決を取り消し、池上さんの処分取り消し請求を棄却していました。

 池上さんは札幌高裁の判決を不服として上告していましたが、最高裁は12月22日、2026年2月27日に当事者、双方から意見を聴く上告審弁論を開くことを決めました。

 最高裁が結論を変えるのに必要な手続きである弁論を開くことが決めたことから、池上さんが敗訴した判決が見直される可能性があります。

北海道文化放送
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