2022年に安倍元総理を手製の銃で撃ち、殺害した罪などに問われている山上徹也被告の裁判員裁判は、きょう=18日、検察側の求刑などが実施されます。

それに先立って、被害者参加制度を利用している安倍元総理の妻・昭恵さんの意見陳述が行われ、昭恵さんは法廷には出席せず、弁護士が書面を代読する形となりました。

法廷では以下のような内容が述べられました。

【安倍昭恵さんの意見陳述(弁護士が代読)より】「私は前を向いて夫の志を紡いでいきます。被告人には自分のした罪を正面から受け止め、きちんと罪を償うよう求めます」

■拉致被害者救出への思い「命がけでやるんだ」

代読された昭恵さんの意見陳述では、安倍元総理が北朝鮮による拉致被害者の救出に力を入れてきたことを語り、アメリカのトランプ大統領にもことあるごとに説明していたことや、「命がけでやることだ」と話していたことを明かしました。

【安倍昭恵さんの意見陳述(弁護士が代読)より】「(命がけでやるという言葉に)私は『いやねーと言って笑って誤魔化したけど、本当にそんな日が来るとは思いませんでした。

(事件が起きた)7月8日も、『いってらっしゃい』と言って送ると、スーツの襟元に、いつものように“拉致被害者救出”を示すブルーリボンバッジをつけていました。

被告の撃った弾丸により、ブルーリボンバッジは弾き飛ばされて、割れることはなかった。それは拉致被害者とご家族に対して、救出するんだという思いで割れずに戻ってきたんだと思います」

■突然の夫の死に「目の前が真っ暗になり、かなり長い間夢の中にいるようでした」

そして事件後の遺族が受けたショックや、被害者参加制度を利用して、裁判に出席した時のことも語られました。

【安倍昭恵さんの意見陳述(弁護士が代読)より】「突然の夫の死は衝撃的で、目の前が真っ暗になり、かなり長い間夢の中にいるようでした。

夫の母は、突然息子を失い、ふさぎ込むようになり、去年2月4日に他界しました。ついに私は1人残されました。

街を行き交う家族連れなどを見ると、自然と涙が止まらなくなります。

どれだけ悲しくても負の感情が湧き出しそうになると、俯瞰してそうならないようにしてきました」

■被害者参加するも「目の前で謝罪なかった」「喪失感は一生消えることはありません」

【安倍昭恵さんの意見陳述(弁護士が代読)より】「私は被害者参加制度で(裁判に)出席しました。夫の母のスカーフを首に巻き、ブルーリボンバッジをつけて出席しました。

夫は参院選の選挙中に銃撃されたので、集まった人などが危険に晒されたことが気になっていました。集まった皆さんが夫以外に弾丸に当たらなかったそうで、それは幸いでした。

被告人がどんな態度でどんな表情で夫を奪ったのか直接知りたく被害者参加制度を利用して出席しました。

私の目の前で謝罪はありませんでした。休憩中、涙があふれ出ました。

私にとっては『政治家・安倍晋三』であるとともに、かけがえないたった1人の家族です。喪失感は一生消えることはありません」

関西テレビ
関西テレビ

滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山・徳島の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。