2017年に名古屋城の外堀で捕獲され、大騒動となった外来魚アリゲーターガー。生態系への影響が懸念され、連日報道されるほど注目を集めました。あれから数年、巨大魚はどこへ行ったのか。街の噂を追い、専門家の証言を手がかりに、その“意外な行き先”に迫ります。

■8年前に名古屋城で起きた外来魚騒動

名古屋城の外堀に、まさかの巨大外来生物が出現。その正体はアリゲーターガー。外来種による生態系への影響が懸念され、市は連日捕獲作業を実施。2017年にはついに捕獲され、その瞬間はテレビでも報じられました。では、あのガーは今どこにいるのか。まずは街の人たちに聞きました。

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男性:
「生命力が強い生き物だから、誰かが飼っているんじゃない」

女性:
「もう死んでいると思う」

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別の女性:
「ゲテモノとして食べられたとか?」

最も多かったのは「水族館にいる」という声。

女性:
「名古屋港水族館にいる?」

男性:
「東山動物園とか」

別の女性:
「アクアトトぎふ。淡水魚がいるから」

街の声をまとめると、“水族館説”が最有力。では実際に確かめてみることに…。

■水族館を総当たりも

街の皆さんが挙げた「東山動植物園」「名古屋港水族館」「竹島水族館」に電話取材。しかし、いずれも「飼育していない」との回答。

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続いては“本命”淡水魚水族館・アクアトトぎふへ。期待が高まりますが…。

アクアトトぎふの担当者:
「展示していないです。アリゲーターガーは、生息地が北米なので…」

そこで、残る鳥羽水族館へ問い合わせると…。

鳥羽水族館の担当者:
「アリゲーターガー飼育しています」

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急いで鳥羽水族館へ。ここは日本で唯一ラッコとジュゴンに出会える水族館で、約1200種の多種多様な生きものを展示しています。

担当者:
「アリゲーターガーは古代の海のエリアで飼育しています。野生だと50年以上生きる場合もある」

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記者:
「1.5メートルくらい?」

捕獲時の体長は1.4メートル。ならば成長していてもおかしくありません。ついに名古屋城のガー発見と思いきや…。

記者:
「こちらが名古屋城のガーですよね?」

担当者:
「違います。名古屋城のお堀のガーではありません」

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記者:
「あれ、電話でアリゲーターガーいると…」

担当者:
「アリゲーターガーいますか?って聞かれたので、いますと言っただけです」

ガーはガーでも“あのガー”ではない…捜索は振り出しへ。

■本物の行き先と衝撃の再会

再び街で聞き込みを進めると、意外な一言が。

女性:
「捕まえた人に聞かないとわからないのでは」

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確かに。当時捕獲した四日市大学で研究をしている野呂達哉准教授に、直接話を聞くことができました。

野呂准教授:
「“ジャグライン”という現地でアリゲーターガーを獲っている方式で捕獲した。大型の浮きにワイヤーと針をつける仕掛けです」

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記者:
「捕獲後はどこへ?」

野呂准教授:
「碧南海浜水族館にいます」

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急いで碧南海浜水族館へ。

記者:
「本当に名古屋城で捕獲されたガーがいるのですか?」

碧南海浜水族館の担当者:
「います。当時名古屋城で捕獲されたガーです。こちらです」

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記者:
「えっ死んでいる…」

担当者:
「ホルマリン標本として展示しています。こうした外来生物がいると影響があるよと」

記者:
「捜索で、大きくなって2メートル位に成長した姿が見られるのかなって…」

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担当者:
「そんなのが日本にいたら大変ですね」

名古屋城で大騒動を巻き起こした“あのガー”。成長した姿ではなく、残念ながら標本としての再会でした。

東海テレビ
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