鹿児島の空の玄関口、鹿児島空港。2024年の利用者数は560万人に達し、コロナ禍からの回復基調が鮮明になっている。利用者数の増加に伴い増えているのが落とし物、忘れ物だ。霧島警察署の特別な許可を得て、普段は立ち入ることのできない落とし物保管庫にカメラが潜入した。

利用者数の回復と共に増加する落とし物

鹿児島空港の利用者数は、2019年には600万人を超えていたがコロナ禍で大幅に落ち込んだ。しかし国際線が再開した2023年からは500万人を超えるまでに回復。2024年は560万人が利用している。一日平均では15,000人以上が空港を利用する計算だ。

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利用者に話を聞くと「傘やリチウムのバッテリーを忘れてしまったことがある。席を立つ時に一回見て忘れ物を防ごうかなと」「羽田空港のコンビニでパンを買ったとき、商品の所にスマホを置きっぱなしにした。やってしまった」と、多くの人が忘れ物の経験談を語った。

落とし物の件数もコロナ禍の2020年度は2300件ほどだったが、2024年度は7000件を超え、約3倍に増加している。

空港での落とし物、忘れ物はどうなるのか

空港内の忘れ物が見つかる場所は大きく分けて2つある。航空機の中と空港ビルの敷地内だ。

航空機内での忘れ物は1〜2週間程度航空会社で保管された後、客からの問い合わせがなければ警察に送られる。一方、空港内の忘れ物は発見した一般の人や警備員から空港ビルに届けられ、隣接する警備派出所に送られる。

空港の忘れ物はどう処理される?
空港の忘れ物はどう処理される?

霧島警察署鹿児島空港警備派出所の永留明佳巡査は「お土産などのお菓子、食品類など。旅行客ならではのキャリーバッグなどの届け出がある。受理した際には霧島警察署の会計課に速やかに専用のコンテナを使って届け出を引き継いでいる」と話す。

驚きの落とし物も!保管庫の中に潜入

特別な許可を得て霧島警察署の落とし物保管庫を取材した。鹿児島空港で発見された落とし物、忘れ物が棚に所狭しと並べられている。土産袋に入った物や傘、それにスーツケースと、ここまでは理解できるが、中には茶色い大きな壺、緑色のガスボンベ、といった意外な物も。「誰が、なぜ落としたのか?」と思わせる品々だが、詳細は明かされていない。

「傘からガスボンベまで」保管庫を潜入取材
「傘からガスボンベまで」保管庫を潜入取材

この保管庫では直近5カ月以内に届けられた落とし物が管理されている。落とし物は最初の3カ月は持ち主が、その後の2カ月は拾った人が所有する権利を主張できるためだ。5カ月を過ぎると基本的に処分されるが、現金や貴金属などは所有権が県に移る。

誰が、なぜ落とした?
誰が、なぜ落とした?

国際線再開で外国の紙幣も

管理を担当する霧島警察署の事務職員・栫井優斗さんは「県外在住の方の忘れ物とか、外国のお金、お土産物と思われるお菓子が空港ならではないかと思います」と話す。

国際線の再開が相次ぎインバウンドも増える中、2025年7月以降には韓国やカナダの紙幣が空港内で見つかっている。

国際線再開で変わる忘れ物事情
国際線再開で変わる忘れ物事情

「周囲を確認し楽しい旅行を!」年末年始を前に注意喚起

人の流れが増える年末年始を前に警察署と派出所の担当者は注意を呼びかける。

人の流れが増える年末年始は要注意だ
人の流れが増える年末年始は要注意だ

霧島警察署会計課の栫井優斗さんは「県外からの旅行で来る人も多い。楽しい旅行にするためにも、移動の際は今一度身の回りを確認して落とし物、忘れ物がないように心がけてもらえれば」と話す。

永留明佳巡査も「トラブルや落とし物なども非常に多い時期。自身の荷物の管理などに気をつけてもらいたい」と注意を促す。

鹿児島空港によると、落とし物、忘れ物は1階と2階の待合所で一番多く見つかっているという。席を離れる際は今一度周囲を確認することが大切だ。

(動画で見る:利用者560万人、鹿児島空港で急増する“落とし物”の実態)

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鹿児島テレビ
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