25日、安倍元首相銃撃事件の裁判で山上徹也被告が再び証言台に立ち、安倍元首相を狙うに至った経緯などを明かした。山上被告は「距離をとるのは銃がいいと思った」などと凶器を犯行に使用した理由を証言した。また安倍元首相が旧統一教会の友好団体のビデオメッセージに出演したことを確認し、安倍元首相の動きについて「非常にくやしい。受け入れられないと思った」などと語った。

山上被告の2回目の被告人質問…安倍元首相襲撃の経緯

25日、11回目を迎えた安倍元首相銃撃事件の裁判。

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殺人などの罪に問われている山上徹也被告が前回に続き証言台に立ち、安倍元首相襲撃に至った経緯を明かした。

弁護側が質問したのは 2015年に自殺した兄についてだ。

山上被告は当時の心境を聞かれると、時折言葉に詰まりながらこう答えた。

山上被告:
いろいろトラブルを抱えていたのに突き放したこともあったので 遺体をみたときショックだった助けてやれなかったと。

また母親が祖父の家を売った理由が旧統一教会への献金だと認識した際の状況については―

山上被告:
「祖父の負債じゃなくて教会への献金のためだ」と母親から言ってきた。本当の理由が分かってやっと足場が定まったような気がした。

山上被告:
自分がふがいないとか、自分の責任だと思っていたことが母親の献金だと分かって、明るい気持ちになった。

その後、旧統一教会幹部の襲撃を2度計画したと説明。

1回目はナイフと催涙スプレー準備し、2回目は火炎瓶を準備して現地に向かうも実行できなかったため銃を製造するに至ったとし、こう証言した。

山上被告:
(襲撃)対象と距離を取れば発砲できたりすると考えた。ナイフで刺すのは心理的抵抗があるので、1つは火炎瓶であったが、確実性に欠けるので距離をとるのは銃がいいと思った。

襲撃する対象について、当初は旧統一教会の韓鶴子総裁を考えていたなどと発言。

しかし安倍元総理と旧統一教会につながりがあると認識した後は、教団の友好団体に安倍氏が寄せたビデオメッセージなども確認したと話しました。

山上被告:
長い間、首相を務めた人なんだから これからどんどん旧統一教会が認められていく、認知されていってしまうのがよくないと思った 。

山上被告:(安倍元総理の動きは?)
非常にくやしい。受け入れられないと思った。

そしてこの時に抱いた感情については「絶望感と危機感かと思います」と述べた。

12月2日に行われる次回公判でも被告人質問は続く予定だ。
(「イット!」11月25日放送より)