『アウトドアで防災を考える』は、今回も「寒さへの備え」をテーマにお伝えします。注目するのは“重ね着”。効果的な重ね着をすることで、それぞれのウェアが機能を果たし、効率よく体を温められます。

秋田市のイオンモール秋田にあるスポーツ用品店「ムラサキスポーツ」にお邪魔し、寒さへの備えを考えます。

日本赤十字東北看護大学介護福祉短期大学部・及川真一さん:
「寒さ対策は災害時とても重要で、体温を下げないことは生命にも関わることになる。例えばスキーやスノーボードをする人やアウトドアをする人は重ね着をする。どういったものを着て体温を調整しているのか、そこにヒントがある」

災害時に身を守るポイントの一つが寒さ対策です。重ね着で効率良く体を温めるアウトドアの防寒スキルは災害時にも役立ちます。ただやみくもに重ね着をすれば良いわけではありません。

山登りなどのアウトドアでは「レイヤリング」という体温調節をするための重ね着のこつがあり、着用するウェアは一つ一つに特性があります。

肌をドライに保つウェア。保温力を高めるウェア。雨風や雪から身を守るウェア。一つのウェアでこれらの機能を全て備えることはできないので、重ね着で空気の層をつくることが重要になります。

まずは、インナーのベースレイヤーとその上に着るミドルレイヤーを考えます。

今回は乾きやすいインナーに、保温性があるフリースを重ね着します。

及川真一さん:
「まず下に着ているインナー。普通に生活していても汗をかく。汗をかいたままで寒くなると体を冷やしてしまう。汗を逃がさないといけない。乾きやすい素材は汗を逃がす」

インナーの上に空気を保持して保温力を高めるフリースやセーターなどを着ることで、体は快適な環境に保たれます。

ただ、どんなに保温しても雨や雪にぬれてしまっては意味がありません。最後に必要になるのがアウターレイヤー。防水性のあるアウターを羽織ります。

及川真一さん:
「汗を逃がしながら、なおかつ防水素材のものを上に着て、寒さをしのぐ基本的な重ね着のスタイルになる」

寒さを疑似体験するため冷却スプレーを吹きかけてみると、体感として冷たさは感じません。吹きかけた表面を触ってみると冷たく、及川さんは「これが外の寒さ」だと言います。

及川真一さん:
「この重ね着のスタイルで、風が吹いていて雪が降っていて雨が降っている時などでも体温を調整できる」

冬に災害が起きると暖房などが十分に使えない場合があります。アウトドアのスキルは災害時の防寒に役立てることができます。

今回紹介したものは、あくまでも基本的なベース。これで寒さをしのげるかというと、寒さの感じ方には個人差があるためこれで万全ではありません。

及川さんは「家庭にあるもので調整して、例えば普段から上に着るものをアウトドア用品にしておくだけでも寒さへの一つの備えになると思う。色々なものを試して、商品もたくさん出ているので確認してみてほしい」と呼びかけています。

秋田テレビ
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