11月21日(金)、多くの人が訪れた福島県福島市のフォーラム福島。福島テレビが制作した「かげる針路」の公開初日には、約160席が満席となった。

「かげる針路」は、福島県が原発事故の教訓から「再エネ先駆けの地」を目指してきた一方、メガソーラー建設をめぐって各地であつれきが生まれている実情に迫ったドキュメンタリー映画。

上映後には芥川賞作家で福聚寺住職の玄侑宗久さん、東北大学大学院の中田俊彦教授が登壇し、トークイベントが行われた。
イベントで中田教授は「作る側だけ再エネの地で、使う側が全く育たないまま、その基本的な矛盾点に気が付いていない。事業は業者が作って運営するけども、そこにかかる利益は全部地域のエネルギー会社を通していく」と語った。
また玄侑さんは「際限なく電気が要るわけですよ。この流れがなんで止められないのか。人口減っているのに電気量増えてる。これが何というか、困ったなあと」と語った。

映画を観た人からは「災害の問題は、ここだってそうだし他のところでもある。そういう意味では、新たな発見というか驚きがあった」「こういう問題意識や、そういうことを知るきっかけになって、すごく良い勉強になりました」との声が聞かれた。

「かげる針路」に登場する松谷基和さんは「これだけ皆に色んな問題意識とか気持ちとか伝わるようになった結果なんだろうなと思ったので、福島にとって、非常に嬉しい出来事です」と話した。

劇場版「かげる針路」は、上映期間が1週間延長されることが決定。福島市のフォーラム福島で12月4日まで公開される。

福島テレビ
福島テレビ

福島の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。