11月15日で横田めぐみさんが北朝鮮に拉致されてから48年が経ちました。新潟市では早期の救出を訴える県民集会が開かれ、出席した木原官房長官は「私が最後の拉致問題担当大臣になりたい」と解決への決意を語りました。
■木原官房長官が拉致現場を視察
15日、拉致問題担当大臣を兼務する木原稔官房長官が訪れたのは、中学1年生だった横田めぐみさんが北朝鮮の工作員に拉致された現場です。
めぐみさんの弟拓也さん・哲也さんなどと48年前の11月15日に下校途中のめぐみさんを襲った事件の現場を視察しました。
【木原官房長官】
「閑静な住宅地でありながら、そういうところでわが国の主権や国民の安全が損なわれるような事件が発生したということ、許されないことだと改めて思った」
■拉致被害者の帰国訴える県民集会
その木原官房長官も出席して新潟市中央区で開かれた『忘れるな拉致県民集会』。
来年2月で90歳を迎えるめぐみさんの母・早紀江さんは今年もオンラインで参加し、会場に集まった人たちに関心を持ち続けてほしいと訴えました。
【横田めぐみさんの母 早紀江さん】
「ぜひ忘れないで。本当に自分の家の子どもがそうなったらどんな気持ちなんだんだろうと、本当に置き換えて考えてくださるように、何が起こるかわからないままで(何もせず)置いておけば何もできないんだなと、向こう(北朝鮮)は絶対思うに決まっている」
家族との再会を果たせぬまま過ぎた48年。拉致被害者にとっても、その家族にとっても残された時間は少なくなっています。
【横田めぐみさんの弟 拓也さん】
「(母は)きょう元気でも、あすは元気ではないかもしれない。本当に残された時間がない。私は家族会の代表として、そして、めぐみの弟として絶対にあきらめない」
拉致被害者・曽我ひとみさんの母・ミヨシさんは帰国を果たせぬまま12月で94歳に。
【拉致被害者 曽我ひとみさん】
「母と抱き合えるその日まで、とにかく母には元気でいてほしい。諦めずに絶対に佐渡に帰って来てほしいといつも思っている」
また、特定失踪者の大澤孝司さんの兄・昭一さんと中村三奈子さんの母・クニさんも早期の救出を訴えました。
【中村三奈子さんの母 クニさん】
「いったい今どこにいるのか、本当に娘に会いたいと思っている」
【大澤孝司さんの兄 昭一さん】
「特定失踪者救出のためにも、今後一層の努力をお願いしたい」
■「最後の拉致問題担当相に」政府へ期待寄せる被害者家族
日朝首脳会談の実現に意欲を示す高市首相のもと、拉致問題担当大臣を務める木原官房長官も問題解決に向けた決意を示しました。
【木原官房長官】
「私自身は、もしこのお役職をいただいたならば、私が最後の拉致問題担当大臣になりたいと、なるべきだと思っている。認定の有無にかかわらず、すべての拉致被害者の一日も早いご帰国を実現すべく、あらゆる手段を尽くして取り組んでまいります」
政府の言葉に期待を寄せる拉致被害者家族…願うのはその言葉が解決に向けた具体的な行動につながることです。
【横田めぐみさんの弟 拓也さん】
「全員が絶対負けないと、取り戻すという気持ちを肌で感じたし、この思いを、きょう木原官房長官にもご臨席いただきましたが、これを覚悟に変えて、具体的な日朝首脳会談の動きに転じてほしいなと思っている」