イギリスの公共放送BBCは9日、ティム・デイビー会長らが辞任すると発表しました。
アメリカのトランプ大統領の演説を恣意(しい)的に編集したとの指摘があり、批判が高まっていました。
辞任したのはBBCのティム・デイビー会長と、ニュース部門の最高経営責任者デボラ・ターネス氏です。
BBCを巡っては、イギリス・テレグラフ紙が11月、BBCの内部文書を基にした記事で、2024年10月にアメリカ大統領選直前に放送したドキュメンタリー番組で、トランプ氏の演説が改ざんされていたなどと報じていました。
記事によりますと、トランプ氏は2021年1月の議会襲撃事件前に演説しましたが、BBCは「平和的に、愛国的に声を届けよう」という呼びかけを省き「死に物狂いで戦おう」などの発言を別の部分から切り取るなど、トランプ氏が議会襲撃事件を扇動したように印象づける恣意的な編集をしていたということです。
また、パレスチナ自治区ガザでの戦闘についても偏向した報道があったと指摘されています。
デイビー氏は辞任について「いくつかの誤りがあり、最終責任は自分にある」と述べています。
これについてトランプ氏は自身のSNSで「腐敗したジャーナリストを暴露してくれたテレグラフ紙に感謝する。民主主義にとってなんと恐ろしいことなのか」などと投稿しました。