秋田・湯沢市で撮影された、鉄のおりを大きな牙でかみ切ろうとするクマ。

雄勝猟友会の猟師:
ドンドン(クマが)向かってくる。すごい、もう人が右行けば右へ、左行けば左へ。ドンドンぶつかってきて、鉄骨だがかみついて、歯もボロボロになってしまっていたが、鉄筋の周りも折れてるのが1カ所あったし、これまでにないくらいに凶暴になっていた。

檻の中で大暴れしていたのはメスのツキノワグマ。
その大きさは、体長は1m35cm、体重は150kgです。

雄勝猟友会の猟師:
太ってる。もうすごいパンパン。手足もパンパン、肥えてるクマ。(Q.凶作でエサがないのになぜ太る?)やっぱり食べてるんでしょう。里に下りてきて。柿、栗は栽培している人もいるので、木に登ってバリバリバリバリ、ほとんどの木やられたから。

全国で相次ぐクマ被害。
これまでに死亡した人の数は、過去最多の13人にも上ります。

その闘争本能は、これまでの常識とは違っているといいます。

雄勝猟友会の猟師:
前は人から離れていくけど、今回は違う。(人に)向かってくる。今までとは全然違う。かなり危険。今年のクマは特に。

こちらの猟友会によると、2024年度の駆除は4頭。
一方で2025年度は、11月6日までにすでに39頭を駆除したといいます。

関東でもクマへの備えが始まっています。

栃木・佐野市内にある小学校で準備されていたのは「クマよけ鈴」。

佐野市では、クマの目撃情報が6日時点で30件と年間件数の過去最多を更新しました。
市は、緊急のクマ被害防止対策として、市内の小中学校などに「クマよけ鈴」1500個を配布することを決めました。

受け取った児童が早速、「クマよけ鈴」をランドセルにつけ歩いてみると、教室中に鈴の音が響き渡りました。

クマを目撃したことがあるという児童は「本当にめっちゃでっかくて、犬ではないぐらい。なんか黒いっていうか、めっちゃすごかった。家の近くで見て、前も鈴もらったが、今回もまたもらって、ちょっと安心できるかなって感じ」と話しました。

こうした中、「クマよけ鈴」を作る鹿沼市の製造所では注文が急増。対応に追われていました。

テーブルの上に新聞紙を広げて行われていたのは「クマよけ鈴」の組み立て作業です。

大森鋳造所・大森貴弘さん:
これ組み立てがかなり時間がかかるので、先月は5000個ぐらい出荷した。(Q.去年と比べて)2倍以上。

一番の自慢は、その澄んだ音色。さらに…。

大森鋳造所・大森貴弘さん:
音が必要ではない時には、ネジを緩めると音が止まる。消音機能を持たせている。

この消音機能が評判となり、注文が急増。
「クマよけ鈴」の生産が追いつかず、近所の主婦にも作業を手伝ってもらっているといいます。

大森鋳造所・大森貴弘さん:
2~3日前にも、ここから車で5分の所に出没したと。このクマ鈴によって、クマとの共存が図れればなと思いながら製造している。

午前6時ごろの秋田・仙北市の映像では、大人のクマと子グマの2頭が河川敷で何かを探すように歩き回っています。

撮影者によると、この周辺で2025年は4回ほどクマを見かけていて、餌を探しているように見えたということです。

宮城・川崎町では、走行中の車にクマが衝突。
運転手の男性にけがはありませんでした。

男性は「自分が通っている道で(クマが)現れるなんて考えてもいなかった」と話しました。

一方、7日朝、山形・米沢市にある滑川温泉の旅館にクマが侵入しました。

激しく破れた障子。階段や床も破壊されています。

7日午前7時半ごろ、冬季休業中の滑川温泉福島屋から「旅館の1階にクマが居座っている」と警察に通報が入りました。

旅館の経営者は、6日夜からクマが周辺で目撃されていて、侵入に警戒を強めていました。

滑川温泉福島屋・笹木和夫社長:
うちに寄って来て、壁をバリバリと爪で(外から)ひっかいたりしてたから、中からバリケードを築いて(クマが)入れないように努力してたんですけど、かなり怖かったです。早く冬眠してもらいたい。