仙台市は今年度、イタリアやフランスなどが原産の「西洋野菜」の生産と販路拡大に取り組んでいます。
その一つがこちらの「トレビス」。
市はなぜ西洋野菜に注目したのか?その狙いを取材しました。

仙台市若林区三本塚。
サニーレタスやグリーンカールといったリーフ野菜に並び、栽培されているのが「ラディッキオ」の名でも知られる「トレビス」です。
一見キャベツのようにも見えますが、イタリア原産の西洋野菜です。

仙台市内でトレビスを生産する農家はわずか2軒。
柴崎勝央さんは、取引がある飲食店からの依頼をきっかけに栽培を始め、今年で3年目です。

生産農家 柴崎勝央さん
「いい感じに色も入ってきたし、大きさも大きいのもあるので今年はいい感じ」

トレビスは、年に2回、収穫することができます。
特徴の一つが、この色。葉は鮮やかな赤紫、葉脈は白、サラダに彩を添えてくれる色合いです。

「苦みがある。これがアクセント。葉はシャキシャキ」

生産農家 柴崎勝央さん
「飲食店からの問い合わせが多いのでこれから生産量を増やしていきたい野菜」

仙台市は今年度、「トレビス」と「カリーノケール」、この2種類の西洋野菜に特化し、試食会や生産者と飲食店との商談会などを通して、生産と販路の拡大に取り組んでいます。

仙台市農食ビジネス推進室 阿部紀子室長
「飲食店に出荷となると収益性が高い。生産者にとって稼げる農業になる。なじみがない野菜だからこそ、10年後の市場拡大を目指し、地産地消をしていこうと」

エスパル仙台にある飲食店。
11月から多くの人においしさを知ってもらおうと、トレビスを使ったメニューの提供が始まっています。

色や風味を活かしサラダやマリネにしたり、オーブンで焼き上げてソースをかけたりするなど、様々な食べ方があります。

また、仙台駅構内にある洋食レストランではトレビスを使ったナポリタンを提供しています。

独特の苦みを食べやすくするため、赤ワインビネガーで下味をつけ、ホワイトソースをかけてオーブンで焼き上げます。
それをナポリタンにかけて完成です。

記者試食リポート
「シャキシャキ感はそのままで、クリームソースとビネガーの酸味が合わさっておいしい」

レストランハチ仙台本店 小沢将紘料理長
「ナポリタンとの相性もいいと思う」

小沢料理長は、初めて使用する食材ということで、メニューの考案には頭を悩ませたそうですが、「地元の食材を扱うことはとても喜ばしい」と話します。

レストランハチ仙台本店 小沢将紘料理長
「今回のコラボきっかけに、皆さんに(おいしさを)広めていけたらいい」

仙台市農食ビジネス推進室 阿部紀子室長
「今後何年かかけて皆さんに楽しんでもらい『仙台といえば』みたいな話になっていくといいなと取り組んでいきたい」

仙台といえば「トレビス」の産地!となるように…
市は取り組みを続ける方針です。

仙台放送
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