プロバスケットボールBリーグ・シーホース三河の新ホームアリーナとなる「三河安城交流拠点(仮称)」の安全祈願祭と起工式が11月4日、行われた。関係者約50人が参列して、建設工事の安全や施設の発展など祈願した。2028年3月の竣工予定。2028-29シーズンからシーホース三河が試合をするだけではなく、ほかのスポーツクラブや市民らも使う「みんなのアリーナ」として、地域の新しい「交流拠点」となることを目指している。
東海道新幹線の三河安城駅から徒歩3分の場所にある、愛知県安城市のアイシン工場跡地、約3万3000平方メートルの敷地に建設される。地上4階建てで、音響や照明の最新設備が導入される予定のメインアリーナは観客席数約5000。2026-27シーズンから始まるBリーグの新カテゴリーで、シーホース三河の参入がすでに決まっている「Bプレミア」の基準を満たしている。昨秋始まった工場の解体工事が今年10月に終わり、11月に着工する。
シーホース三河が中心となって設立された「三河安城交流拠点建設募金団体」が募金などで資金を調達。竣工後、安城市に施設を寄贈して、同市がシーホース三河の設立する運営会社に管理維持を委託する。民間企業と自治体が連携して推進する「負担付き寄付」という手法。シーホース三河のほか、女子バレーボールのクインシーズ刈谷が2028年にホームタウンを安城市に移してホームアリーナとすることが決まっている。
三星元人・安城市長は「アリーナが安城市の新たな、そして大きなシンボルとして、未来へと第一歩を踏み出す記念すべき日。スポーツや音楽、地域イベントなど、広域から幅広い方々が集い、交流とにぎわいを生み出す拠点となる、期待の施設。トップレベルの試合を身近に観戦できる環境が整い、市民をはじめ多くの方々に対して新たな感動、大きな誇りをもたらしていただけるのではないか」と期待を寄せた。
シーホース三河の取締役会長を兼ねる吉田守孝・アイシン社長は「シーホース三河の選手たちの熱いプレーが地域の皆さまの心を動かし、応援の輪が広がることで、街全体が一体となって盛り上がる。そんな未来を思い描いている」と話し、建築主である三河安城交流拠点建設募金団体の白井博・代表理事は「この施設は、完成で終わり、ではない。地域の皆さまとともに育て、時代とともに進化しながら、長く愛され続けるアリーナとなるよう、力を尽くしていく」とあいさつをした。
シーホース三河の佐古賢一チームディレクターは「楽しみにしているアリーナが、ここからスタートだなというところに漕ぎつけた。新アリーナでプレーしたいという選手が集まり、チームも上向きになっている。このアリーナに恥じぬチームをつくっていきたい」と意気込みを語った。