クマの被害が深刻化する中、岩手県の達増知事は10月31日の会見で「過去の経験が通用しない」と危機感をあらわにしました。
そのうえで捕獲の上限数を増やすなど対応を強化する方針を示しました。

達増知事
「過去の経験が通用しない状態になっている。県民にも改めて知ってほしい」

県内では2025年度、クマによる死者が疑い事例も含めると北上市、雫石町、一関市で合わせて5人に上っていて、1984年の統計開始以降、過去最多となっています。

こうした状況を踏まえ、達増知事は31日、環境省の交付金を活用して狩猟に必要な経費を確保した上で、今後の捕獲に力を入れると強調しました。

具体的には、2025年度796頭としていた捕獲の上限を200頭余り拡大し、1000頭規模で捕獲していく方針です。

達増知事
「里山や町にクマが出てくる現状で人を襲うクマもいることから、クマを捕獲して被害を広げないよう県と市町村が連携して対応を強化する」

また、秋田県に続き自衛隊の派遣を要請するかどうかについては、来週開く県の関係幹部会議で検討するとしています。

この会議ではハンターへの報奨金なども検討し、環境省に必要な財政支援を要望する方針です。

達増知事は、万が一、クマが向かってきた場合、顔や首、頭部を守るため体を丸めて
うつぶせの防御姿勢を取り、クマが去るのを待ってほしいと呼びかけています。

岩手めんこいテレビ
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