自民党の高市早苗総裁が10月21日に総理大臣に選ばれ、憲政史上初の女性総理となった。同日夜に発足した高市新内閣に、熊本県選出国会議員からは、官房長官に木原稔氏、国土交通大臣に金子恭之氏が入閣した。
木原官房長官「高市首相を支える」
10月21日に臨時国会が招集され、首相指名選挙で自民党の高市早苗総裁が首相に選ばれた。憲政史上、女性が首相を務めるのは初めてで、自民党と日本維新の会による連立政権が発足した。

高市早苗首相は組閣後の会見で「この内閣は決断と前進の内閣です」と述べた。

同日夜に発足した高市新内閣。官房長官には衆議院・熊本1区選出の木原稔氏(56)が起用された。木原官房長官は当選6回。総理補佐官や防衛相を務め、入閣は今回で2回目だ。また、熊本県選出の国会議員では約半世紀ぶりの官房長官就任となる。

木原稔官房長官は「高市首相からは危機管理、政府のスポークスマン、政府部内や国会との総合調整の役割を果たすよう指示があり、これらの役割を着実に果たし、国政全般にわたって高市首相を支える所存」と就任の会見で述べた。
金子国交相「再度災害防止に取り組む」
また、国土交通相には熊本4区選出の金子恭之氏(64)が起用された。金子国交相は当選9回。国交副大臣や総務相を歴任し、入閣は今回が2回目。国交相のポストはこれまでの自公政権では公明党からの起用が続き、自民党からは16年ぶり。

金子恭之国交相は「自民党最後の(国交)副大臣だったが、今回、大臣として再び国土交通行政に携わることになった。地元の熊本県では熊本地震や7月豪雨で、多くの人命が失われるなど甚大な被害が発生した。また、ことし8月の豪雨も私自身、現地で深刻な被害を確認した。被災者に安心してもらうためにも、被災者・被災自治体に寄り添い、再度災害防止の取り組みを進めたい」と述べた。

組閣から一夜明け、熊本市中央区にある木原官房長官の事務所では、官房長官就任を祝う花や電報が、次々と届けられていました。また、八代市にある金子国交相の事務所でも、大臣就任を祝う花が届けられ、多くの花が並べられていた。

高市総理は、海外訪問や病気などで職務遂行が厳しい際の『総理臨時代行』に就く閣僚5人を指定し、1位に木原官房長官。2位と3位には総裁選を戦った茂木外相や林総務相を指定し、4位に金子国交相が選ばれている。
自民県連・前川会長 維新県支部・松野副代表
自民党県連の前川收会長は「日本で初めて女性が総理大臣になったということは、新しい時代のうねりを感じるいいことだと思っている。木原氏も金子氏も熊本県政の課題については精通しているし、共有している。しっかり高市首相にも伝えてくれるだろう」と話す。

また、木原氏と金子氏の2人が重要ポストに入閣したことについては「めったにないチャンスだと思う。こんなことは熊本にとってあまりないと思う。2人だけではなくて県選出国会議員みんなで、支えなければいけないし、2人が真ん中に座って頑張ってくれることを期待しているし、熊本にとって大きな、大きなプラスだ」と期待を寄せた。

また、自民党と連立を組んだ日本維新の会の松野明美県支部副代表は、「(連立で)いいことはいい、悪いことは悪いときちんと強気で言える立場をいただいた。自民党には維新という新たなパートナーと共に生まれ変わった気持ちで政治をまっとうな方向に進めてほしい」と話す。

一方で、自維連立でやり遂げたい政策について「社会保障改革や副首都構想、議員定数削減など一つ一つ積み重ねて実現したい」と述べた。
公明県本部・城下代表 立憲県連・西代表代行
一方、公明党県本部の城下広作代表は、自民党と日本維新の会が連立を組んだことについて「議論の中心が『企業団体献金の廃止』から『議員定数削減』にすり替えられているように思う」と疑問を呈した。

城下代表は「これは連立を離脱した公明党に、極端に言うと一番ダメージがある形でやるというふうに誤解を招く形になる。こういう大事なことを短期間で、限られた政党同士で連立の柱としてやる行為には、甚だ疑問があるし、怒りたくなる気持ちも理解してほしい」と感情をあらわにした。

また、立憲民主党県連の西聖一代表代行は「初の女性総理の誕生には期待する」と話す一方、「憲法改正など安倍元総理の政策を引き継ぐ印象がある」と指摘した。

その上で「国民が求める物価高対策や『政治とカネ』の問題の解決について、自民と維新の連立の動きをしっかり注視していきたい」と話した。
木村熊本県知事と大西熊本市長
高市新首相誕生を受けて熊本県の木村知事は「わが国初の女性総理の誕生であり、新たな時代の幕開けとして、大きな一歩となることを期待します」コメントした。

また熊本市の大西市長は「熊本市出身の木原稔氏が官房長官という重責を担われることは、熊本市民にとって大きな誇りであり、心からお祝い申し上げます」とコメント。

そして国交相に就任した金子氏については「地方の声が、より一層国政に反映され、地域の持続的な発展がさらに進むことを、心から期待しています」とコメントを発表している。
(テレビ熊本)
