2025年は昭和100年。
東京・神田の老舗そば屋の建物もほぼ同じ年月を刻んでいきました。
歴史を感じるお店をイット!の奥寺健キャスターが訪ねました。
サラリーマンが行き交う忙しい通りで、そこだけ時が止まっているように古き良き面影を残す店構えなのは、創業明治17年の「神田まつや」です。
140年にわたって東京の街を見つめ続けてきました。
関東大震災の後に建てられた現在の店は、建てられてから98年で、店内は木のテーブルや椅子が並び、昔ながらの雰囲気があります。
中でもひときわ目を引くのが、そばをもむときに使う木鉢です。
6代目となる現在の店主・小高孝之さん(60)のおじいさんが昭和20年代に漆器屋から買ったもので、今では店のシンボルになっています。
そして、店の雰囲気と共に守り続けているもの、それは味です。
神田まつや 6代目店主・小高孝之さん:
食ってすごく難しいと思う。「味は一代」と思っているが、僕の味も父の味もおじいさんの味も似てるところはあると思います。
6代目の味をいただいた奥寺キャスターは、下町らしさを残したからめの味わいだといいます。
他にも店主のこだわりが見えるのが、盛りそばにわさびがつかないことです。
戦後の東京のそば屋では、盛りそばにわさびをつけない時代があったそうで、その名残だといいます。
そうやって歴史を守ってきた6代目は、子供のころに見た昭和の神田の思い出を「(この辺りは)市電の終着駅になっていたり、たばこ屋さんとかいろんなお店がありました。本当に当時は活気があったと思います」と語りました。
この日、久しぶりに訪れたという人は、「(Q.ここに来るの何回目ですか)数え切れないぐらい来てるけど30年ぶりだから」「わたしたち今神戸にいるんだけど久しぶりに食べた。本当のそばを」と話します。
昭和100年。
人々の暮らしに寄り添い続けてきた、神田まつや。
時代が変わっても変わらない空間がこれからも続いていきます。