河野大臣も危機感強める霞が関の働き方

「働き方改革に努め、早期の退庁に努めましょう」

これは今、内閣府の庁舎内で流されている、働き方改革のために早く帰りましょうというアナウンスだ。

河野太郎行革相は、はんこの廃止や「縦割り110番」など、菅内閣の一丁目一番地の政策である「規制改革・行政改革」に次々に着手しているが、行革の一環として担当しているのが「霞ヶ関の働き方改革」だ。

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実は、今年度の国家公務員試験の総合職の申込者は前年度から3.3%も減少。去年行われた内閣府の調査では、若手官僚の7人に1人が数年以内に「辞めたい」という意向を示すという衝撃の結果が出ている。

河野大臣は「在庁時間の調査」を指示

そこで河野大臣は就任して早速、行動に移している。10月1日のインタビューでは、公務員の働き方改革をめぐって、次のように語った。

「やりがいが感じられない、自分を成長させられると思えない、家族との時間がとれない。どうしてそうなっているのか。今の霞が関の働き方を見える化することが必要だ」

そこで、私が国会対応などための長時間労働が指摘されている中で、どの点を改革するのか聞くと、河野大臣は「在庁時間がどうなっているかをきちんと調べた上で、どうしてそうなっているのかということをみていきたい」と答えた。その上で、すでに10月と11月の在庁時間を調べるように指示したことを明らかにした。

さらに翌日には、霞が関の働き方改革を議論する若手から中堅の職員およそ70人によるチームの会合を視察し、次のように危機感を示した。

「ツイッターで霞が関の住民と思われる人が、もうそろそろ辞めたいみたいなツイートを頻発しているのを見ると、いなくなっちゃうんじゃないか。そういう心配をしている」

深刻な在庁時間の過少申告

そして改めて在庁時間の実態を把握する必要性を訴えたが、この在庁時間というのがくせ者だ。「在庁時間」は、上司の命令で残業した「勤務時間」とは別で、サービス残業も含めた役所に滞在する時間を表す。この在庁時間の長さ・不透明さが、長時間労働・ブラック化の温床になっているとされているのだ。

その在庁時間の実態を調査せよという河野大臣の指示だったが、さっそくSNS上では、公務員とみられる人の書き込みで、「実際より少なく申告をするという声をちらほら聞いた」という声があがった。

それに対し河野大臣は、すかさずツイッターで「事実をそのまま申告してほしい」「上司の確認などは必要ありません」と発信した。

河野大臣の足元でもブラック化の危機…改革の行方は

ところが、その河野大臣の足元でも問題が起こっていた。9日の会見で河野大臣は「振り返ってみると、私の担当部署が非常にブラック化している。非常に反省している」と自らの担当部署の職員が負担増になっていることを明かした。

取材を進めると、河野大臣が所管する部署の若手職員からは「タクシー帰りが続いている」との声も聞かれた。働き方改革を進める人たち自身の働き方が問われる事態で、本末転倒ではないかという指摘も出ているのだ。

このようになかなか難しい霞が関の働き方改革だが、今後、在庁時間の真の実態がどの程度明るみにでるのか、そして河野大臣がどのように改革していくのか、その手腕が問われそうだ。

(フジテレビ政治部 阿部桃子)