食品製造販売会社の挑戦です。長野県飯綱町の「サンクゼール」が善光寺仲見世通りの仏具店だった建物を引き継ぎ菓子店をオープンすると発表しました。善光寺の新たな「名物菓子」を目指します。
善光寺仲見世通りの仏具店「長生堂」。創業66年となりますが、店主の体調不良などでここ3年ほどは閉店状態となっていました。
(リポート)
「きょうも多くの参拝客が訪れている、善光寺の仲見世通り。サンクゼールは、こちらに新たに出店する予定です」
このほど、飯綱町に本社を置く食品製造・販売の「サンクゼール」が「長生堂」を子会社化。建物を生かして新たに菓子店を出すと発表しました。
サンクゼール・久世良太社長:
「あまりとっつきにくいものではなくて、皆さんに手軽に手に取ってもらえるような、親しみのあるお菓子にしていきたい」
1979年創業の「サンクゼール」。ジャムやワインの製造・販売や和の食材を扱うセレクトショップの「久世福商店」などが事業の柱。専門店を全国に約180店舗展開しています。
一方、2023年は長野市に冷凍食品を主力とする店を開くなど、新事業にも力を入れています。今回「新たな柱に育てたい」と目を付けたのが「菓子事業」です。
菓子は市場が堅調に推移し、成長性も高いと判断しました。多くの参拝客が訪れる善光寺門前という立地や、長年地域に愛されてきた店という歴史も生かしたい考えです。
10月10日、「サンクゼール」と「長生堂」が株式譲渡などについて契約を交わしました。
サンクゼール・久世良太社長:
「地元の人に愛されて、これから100年続いていくような、名物のお菓子のブランドをつくっていきたい」
長生堂・山口直人社長:
「『今までの歴史を引き継いで、これからも紡いでいく』という真摯なご表明をいただいていますので、それに沿って進んでいっていただければ。場所が善光寺の門前。お寺、町内と調和して、一員としてゆっくり歩みを進めていっていただければ」
どのような菓子を作るかは未定ですが、自社のブランド構想力や商品開発力などを生かして、県産食材を使った「善光寺の名物菓子」を生み出したいとしています。
サンクゼール・久世良太社長:
「末永く愛されるようなブランドに仕立てていきたい。そのお店でしか味わえない、購入することができないという体験を提供していきたい」
店は、2026年7月開業予定。いずれは善光寺にとどまらず、全国の観光名所の名物菓子を開発する主要事業に育てたいとしています。