かつて歴代の皇族や多くの文化人を迎えながらも景気の低迷で2013年に事業を停止したあわら温泉の旅館「開花亭」の跡地に、全国展開する「星野リゾート」が進出することが、8日発表されました。温泉街のさらなるにぎわいへ地域の期待も高まっています。
       
福井県・杉本達治知事:
「星野リゾートが今回、新たにあわら温泉に進出してもらうことが決定した。旧開花亭跡地に進出する」 
  
県は、3年前から国の内外でリゾート施設を運営する星野リゾートと宿泊施設の整備に向けた協定を結んでいて、県内進出は勝山市に次いで2例目となります。
  
田島嘉晃アナウンサー:
「あわら市の温泉街です。星野リゾートが進出するのは、温泉旅館・開花亭があった場所で、現在は更地になっています」
   
120年前の1905年(明治38年)に創業した「開花亭」は、昭和天皇をはじめ歴代の皇族や文化人が訪れ、長くあわら温泉の顔として親しまれてきました。
  
しかし2000年代以降、バブル崩壊後の景気低迷やリーマン・ショック、東日本大震災の影響で客足は低迷。2013年に営業を停止しました。
  
それから約10年。跡地には全国で70以上のホテルや旅館を展開し、洗練されたサービスと地域の魅力を引き出す仕掛けが支持を集める星野リゾートが進出することになりました。
   
8日、臨時会見を開いたあわら市の森之嗣市長は「開花亭が閉館した当時、温泉街にも衝撃が走り、街の人からも残念がる声が多く聞かれた。星野リゾートの進出を公表することができ大変喜ばしく思っている」としました。
    
星野リゾートのネームバリューは確かなものがあり、埼玉から来た観光客は「(星野リゾートは)高級な感じ。客がいっぱい来そう。星野リゾートに何回か泊まったことがある。どれも良かった。機会があれば泊まりたい」と話していました。
  
地元の人も「いいんじゃないですか。何もなかったところだから。有名だし嬉しい。ファミリー向けであればうれしい」と話します。
  
地元の旅館「グランディア芳泉」の山口高澄常務は星野リゾートは全国の色んなプロモーションを行っているところなので、ぜひ共にあわらの掘り起こしをし、連携して世界にあわら温泉を発信したい」と期待を込めます。
  
現在、施設の内容や完成時期などについて公表されていませんが、星野リゾートは「福井県は多様な魅力にあふれた観光地。あわら温泉の魅力に徹底的にこだわりを発掘し、まだ知らない福井の魅力を伝える体験を提供する」とコメントしています。
  
県と星野リゾートの協定の中では、すでに県立恐竜博物館がある勝山市の長尾山総合公園で「リゾナーレ福井」が2年後の2027年秋にオープンする予定です。

福井テレビ
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