1987年度から光村図書出版から出されている中学一年生の国語の教科書に、「おとなになれなかった弟たちに…」という絵本が掲載されています。2日、この作者の米倉斉加年さんの長男による朗読会が福井市内の中学校で開かれ、生徒たちが戦争の悲惨さを感じていました。
朗読会に参加したのは、足羽第一中学校の1年生、2年生あわせて約180人と、保護者など地域の人たちです。
朗読をしたのは「おとなになれなかった弟たちに…」の作者、米倉斉加年さんの長男、米倉日呂登さんです。
今回の朗読会は、日呂登さんが所属する劇団民芸の創立者・宇野重吉さんが福井市出身という縁で開かれました。
この作品は、1987年度以降、戦争教材の1つとして40年近く教科書に掲載され続けています。
<米倉さんの朗読>
「10日間くらい入院したでしょうか。ヒロユキは死にました。暗い電機の下で小さな小さな口に綿に含ませた水を飲ませた夜を僕は忘れられません。」
朗読を聞いた生徒たちは「経験しないことだと思うし、作者の息子さんから裏側の話を聞くことができてよかった」「米倉さんの声に感情がこもっていて、自分も話の中に入れて不思議な感情になった。僕たちは戦争を起こしてはいけないし世界でもなくなってほしい」と思いを語っていました。