空気清浄機が最もウイルスを集める置き場所を検証

新型コロナウイルスの感染拡大で関心が高まっているという、空気清浄機。

置く場所に悩むという声も聞くが、部屋のどこに置くのが正解なのだろうか?

そのような中でシャープが行った検証の結果、空気清浄機が最も効率的にウイルスを集めることができたのは、「エアコンの真下」に置いた場合だったことが分かった。

この検証は、ウイルス飛沫粒子の解析の専門家である京都工芸繊維大学の山川勝史准教授と行ったもので、結果は9月29日に公表された。

(画像はイメージ)
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エアコンの風向きは「上向き」、空気清浄機は「エアコンの真下」

“エアコンと空気清浄機を設置した、閉めきった空間”にウイルス飛沫粒子を噴射し、「飛沫水分の蒸発」「飛沫同士の衝突」「不活化時間」「室内の温度・湿度環境」「唾液中タンパク質の影響」などを考慮し、「風の影響」「空気清浄機への捕集(=取り集めること)」「周囲への付着」「残存率」などを算出した。

シミュレーションの結果、ウイルス飛沫粒子を効果的に捕集できることが確認されたのは、エアコンの風向きを「上向き」に設定し、空気清浄機を「エアコンの真下」に設置した場合だった。

部屋の空気を循環する気流が生まれ、ウイルス飛沫粒子を効果的に捕集できたのだという。

一方、効率が悪かったのは、エアコンの風向きを「上向き」に設定し、空気清浄機を「エアコンの対面」に置いた場合。

この場合、エアコンと空気清浄機の気流がぶつかって乱れるため、ウイルス飛沫粒子が飛散してしまった。

シャープHP
シャープHP

とても興味深い内容だが、これから暖房が必要な季節がやってくる中、今回の検証結果は、冷房と暖房、どちらにもあてはまるのか? また、現在も関心が高い新型コロナウイルスにもあてはまるのだろうか?

シャープの担当者に聞いた。

今回の検証は冷房のみ、暖房は今後

――部屋の空気を循環する気流が生まれると、ウイルス飛沫粒子を効果的に捕集できる。これはなぜ?

気流がぶつかって乱れると、ウイルス飛沫粒子が飛散してしまいますが、循環する気流を生み出せば、飛散を抑えながら、空気清浄機で捕集することができるからです。


――今回の検証結果は、冷房と暖房、どちらにもあてはまる?

今回は、冷房の検証をいたしました。暖房については、今後、検証をしていく予定です。

新型コロナもあてはまる?

――今回の検証で想定しているウイルスは新型コロナウイルスもあてはまる?

今回の検証はあくまでも、一般的なウイルスを想定したものになります。

エアコンの“真下”に空気清浄機を置くとウイルスを最も集めると判明(画像はイメージ)
エアコンの“真下”に空気清浄機を置くとウイルスを最も集めると判明(画像はイメージ)

今回の検証結果を受け、京都工芸繊維大学の山川准教授は以下のようにコメントしている。

「ウイルス飛沫粒子は空気中を漂うため、吸い込んでしまう恐れがあります。そのため、その浮遊ウイルスを捕集するか室外へ排出させることが重要となります。

特にエアコンを使用する夏や冬は換気頻度が下がるため、換気以外の対策が必要になります。今回、室内におけるウイルス飛沫粒子の振る舞いをシミュレーションし、窓開け換気が困難な環境下においても、浮遊ウイルスを減らす方法が見えてきたと考えられます」


本格的な冬が到来する前に、暖房を使った場合の検証結果が公表されることを願う。合わせて、新型コロナウイルスを想定した検証も期待したい。
 

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プライムオンライン編集部
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