富山県氷見市宮田の泉の杜地区に、県内初となる「ゾーン30プラス」が導入された。これは生活道路の制限速度を30キロに設定した上で、道路上に速度を落とす工夫を施す取り組みである。

路面に設置された「ハンプ」で速度抑制

この取り組みが導入されたのは住宅が立ち並ぶ泉の杜地区の市道。ここには「ハンプ」と呼ばれる構造物が設置されている。


これは道路の高さを約10センチ盛り上げることで、速度を出しすぎた運転手に不快感を与え、自然と減速を促す仕組みだ。また、三角形が三つ並んだ形状のものもあり、運転席から見ると路面が盛り上がって見えるよう工夫されている。

泉の杜自治会の義浦実会長は「物損事故も数件起こっているし、おととしはうちの自治会の児童が通学中に危うくひかれそうになった」と語る。この市道は小学生の通学路であるとともに、国道160号線に抜ける車が行き交うため交通量が多く、事故の危険性が懸念されていた。
生活道路での事故削減が重要課題
警察庁のまとめによると、幅が狭い生活道路で歩行中や自転車に乗っていて死亡・負傷した事故の割合は、幹線道路の1.9倍に上るという。生活道路での事故を減らすことが、全体の事故対策において大きな意味を持つと考えられている。
県内ではすでに「ゾーン30」が34カ所で導入されているが、ハンプなどを設ける「ゾーン30プラス」の導入は氷見市が初めて。工事費用約1030万円のうち55%は国土交通省の補助を受けた。

義浦会長は「ハンプができたお陰で出る方も確実に一旦停止になったので、早速効果が出ていると思う」と効果を実感している様子だった。

今後、黒部市などでも「ゾーン30プラス」の導入が検討されており、交通事故防止の効果が期待されている。