「子どもたちに食育を」地産地消を通じた7年の交流

広島・三次市の川地小学校。
子どもたちが大好きな給食の時間。コロナ禍で、わいわい楽しく…とはいかないものの、どの子も満足。
この日のメニューは、春雨サラダに麻婆豆腐。お代わりするほど好評で、残食なし。

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川地小の児童:
全部食べてます

ーー何で全部食べられるの?

川地小の児童:
おいしいから

川地小の児童:
いつも新鮮だから。おいしいし、すごくうれしい

野菜がおいしい理由。
食材の多くは地元農家のグループが作ったもので、朝採れたてを調理場へ届けてくれている。
「子どもたちに食育を」と利益度外視で、手間暇かけて生産している。
その1人、三野さん。

地元農家・三野文子さん:
学校に出しているわけだから、農薬とか使わんようにして出しているもんだから。味も違います。より安心して、よりおいしいものが食べれるんじゃないかな。それを子どもたちは大きくなっても覚えていると思うし、覚えていてほしい

子どもたちから感謝の手紙が届けられるなど交流が生まれ、開始から7年経った今、明るい街づくりへ欠かせない取り組みになっている。

地元農家・長岡慎也さん:
「これは誰々さんちのじゃ」っていう子どもとのコミュニケーションって、一番大事だと思うんですよね。そういうのがやっぱり地域のつながり、防犯とかいろんな面につながってくると思うんで、こういうことはやっぱり大事にしていきたいなと思ってます

揺らぐ地産地消…給食調理場の統合・再編に地元農家の想いは

しかし、今 その地産地消の取り組みが揺らいでいる。
三次市には現在、川地小のような給食調理場が2カ所、そして共同調理場が10カ所ある。
そのうち、旧三次市の6つの調理場を再編し、1カ所に集約しようという基本方針が打ち出された。

それぞれ老朽化が進む中、改修や運営の経費面からも施設の集中化が妥当というのが理由だった。

三次市教育委員会・甲斐和彦教育次長:
将来的な運営や建設のことを考え、総合的に判断して1カ所で建設したいと考えています

こうした動きに、地産地消を進めてきた農家は動揺している。

地元農家・長岡陽子さん:
地元の子どもたちに地元の野菜を食べてもらいたいので、調理場を残してもらいたいですね

さらに、災害を理由に挙げる人も。
自然災害が増える中、避難所になっている小学校の調理場の必要性を訴える。

地元農家・三野文子さん:
給食場があれば、災害時には避難が長期にわたっても、食事の面で皆さんがもっと安心できるんじゃないかな

調理場の存続を懸けて広がる住民たちの想い 

8月には存続を求めて、自治会やPTA・農家など5団体が市長へ陳情書を手渡している。
1カ月半で集まった署名は、地区の人口を超える1,968人分にのぼる。

三次市・福岡誠志市長:
現場の皆さんの声や有識者の皆さんの声やいろんな皆さんの思いを、しっかり聞かせていただいて、今後 学校給食のあり方や方向性を決めていきたい

限れらた予算の中、住民の想いをどうくみ取るか。
給食調理場の整備計画は12月議会で審議される予定。

(テレビ新広島)