長野県中野市の4人殺害事件の裁判。9月16日は、弁護側の要請で精神鑑定を行った医師の証人尋問が行われた。犯行時の被告については「正気と異常な状態を本人が認識できていない、統合失調症の特有の症状だった」などと証言した。

猟銃やナイフで襲われ4人が犠牲

殺人などの罪に問われている中野市の青木政憲被告(34)。

起訴状などによると、2023年5月、散歩していた女性2人をナイフで刺して殺害した上、駆け付けた警察官2人を猟銃とナイフを使って殺害したとされている。

青木被告 初公判の廷内スケッチ(イラスト:一色こうき)
青木被告 初公判の廷内スケッチ(イラスト:一色こうき)
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これまでの裁判で青木被告は「全ての質問に黙秘します」などと述べ、黙秘を続けている。

裁判は「責任能力」と「量刑」が争点で、検察側は、完全な責任能力があったと主張しているのに対し、弁護側は、「犯行当時、統合失調症が再発・悪化した状態で善悪の判断力などが著しく低下した心神耗弱の状態だったと主張している。

9月4日の初公判(長野地裁)
9月4日の初公判(長野地裁)

16日の証人尋問では、弁護側の要請で青木被告の精神鑑定を行った医師が出廷した。

鑑定医「統合失調症の特有の症状」

被告との面談から、「大学2年の頃に統合失調症を発症していた」「事件の前年に、ジェラート店を任されるようになり、周囲との関わりが増えるなど環境が変化したことで、被害妄想の症状が強まった」などと証言した。

その上で、犯行時の被告の精神状態については、「正気と異常な状態を本人が認識できていない統合失調症の特有の症状」「行動を起こす火が付きやすく、妄想に支配されている中で女性2人を見て、何かが引き金となり犯行にいたった」などと証言した。

事件現場(2023年5月)
事件現場(2023年5月)

9月17日は、検察側の要請で精神鑑定を行った医師などの証人尋問が行われる。

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長野放送
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