雨水で日本酒を作ることができるのか?そんな全国的にも例のない日本酒の実現に向け、福井県の食品加工研究所で、雨水を清酒の仕込み水として使う醸造の実験が始まりました。
清酒の醸造に雨水を利用する検証実験をスタートしたのは、福井工業大学で雨水を研究している笠井利浩教授の研究室です。
笠井教授は雨水の飲料化プロジェクトの一つとして、清酒への利用を県内の酒造会社に相談。その酒造会社が技術的に可能かどうかを県食品加工研究所に問い合わせて今回の検証実験が始まりました。
16日は、福井工業大学の学生がコメと麹が入ったビンに酵母を加えたあと、雨水をろ過して食用水にした水を注いで清酒を仕込みました。
笠井教授によりますと、清酒には基本的にはミネラルが多い硬水を使いますが、雨水はミネラルが少ない軟水のため、これまで雨水を使って清酒を作った例は全国的にも無いということです。
県食品加工研究所では、本当に雨水で美味しい清酒が作れるのか醸造試験を行い可能性を探ります。笠井教授は「最終的には商品化を目指したい」と話しています。
この後、温度や重さなどを毎日測り、1カ月後にはどのような日本酒ができるのか、成分を分析し酒蔵の水や水道水などで作った清酒との違いを検証します。
