秋の夜長は西条で楽しむ!伝統の「いもたき」と商店街の新しい風
9月に入り、暦の上ではすでに秋。
まだ残暑は厳しいものの、愛媛県西条市では秋の夜長を楽しむ風物詩が始まっている。
中山明音アナウンサーが「愛しの媛さんぽ」で訪れた西条市の夜の魅力を紹介しよう。

79年の歴史を持つ果物店が夜は大変身
西条市中心部の商店街「銀座街」。
そこにある「ウエキ果物店」は創業79年という老舗だ。戦後に初代が店を始めてから、現在は二代目の植木基司さんが切り盛りしている。
「今年で79年です」と植木さん。店内には季節の果物が所狭しと並ぶ。
残暑の中でも、ハウスミカンが美しく陳列されている。9月中旬までは味わえるという。

2階で金曜と土曜の夜限定でバー「CUL.」を経営
そして驚きの展開が待っていた。植木さんの息子である三代目の植木郷司さんは、同じ建物の2階で金曜と土曜の夜限定でバー「CUL.」を営んでいるのだ。
「昼までは配達したりしているんですけど、夜は金土はこの上でアルコール、リキュールで、お酒を出しています」と二代目の植木さん。

大人気の「西条いもたき」で秋の夜長を満喫
一方、加茂川河川敷広場では毎年恒例の「西条いもたき」が盛大に行われている。今年は8月8日から10月8日まで開催中だ。
西条いもたき実行委員会の宇佐美仁さんによると、一人前1500円(事前予約)、当日購入は1700円。持ち帰りにも対応しているという。
11種類もの具材が入った「いもたき」。
里芋、こんにゃく、団子に加え、特徴的なのが「親鳥」。「噛めば噛むほど味が出てきます」と宇佐美さん。この親鳥からじっくりと出る出汁が絶品だ。

「いもたき」を楽しむグループと交流
現地を訪れた中山アナは、職場の仲間たちで「いもたき」を楽しむグループと交流。
グループのみなさんでビールを乾杯。
グループのみなさん:
「いもたき最高」
他のグループにも合流し、「小さい時から食べるんですか?」という中山アナの問いかけに、「小学校の頃から家族できよったです。学校の給食とかにも出よった」と答える。
西条の人々にとって「いもたき」は、西条祭りの前には、必ず通る夏の終わりから秋の始まりを告げる風物詩なのだ。
「飲み物や食べ物が持ち込み自由というのが、特に好評」と宇佐美さん。土曜日が一番予約が多く、取材時点の週末は予約だけで200人を超えるという盛況ぶりだ。

フルーツカクテルで商店街に新たな風を
夜の商店街に戻ると、昼間のウエキ果物店は別の顔を見せていた。2階で営業する「CUL.」は、フルーツカクテルを提供するおしゃれなバーに変身。
三代目の植木郷司さんは「人通りが少なくなった商店街に、人が集まれる場所を作りたい」という思いから、2023年7月にこのバーをオープンした。店舗の内装も自身で手掛けたというこだわりよう。
三代目植木さん:
「時期的にはメロンがいいかな、と思います」
おすすめに従って、中山アナが頼んだのはメロンのカクテル。
大胆にメロンを使った贅沢な一杯は、「すっきりした感じ」と絶賛。果物屋ならではの新鮮な果物を使ったカクテルは、味も見た目も大人気だという。

ちょっと店舗数を増やしたいなと思って
三代目植木さん:
「実家が果物屋で、ずっと商店街の中で過ごして遊んでいたので、やっぱり今店が少なくなっているというのがすごく寂しくて、ちょっと店舗数を増やしたいなと思って」
商店街でこういった店舗を増やすことが彼の夢だという。
西条市の秋の夜長は、伝統の「いもたき」と若い世代が生み出す新たな文化が共存する、魅力あふれる時間。この秋は西条市で、昔ながらの味と新しい風を感じてみてはいかがだろうか。
