学生の間で生成AIの利用が広がり、調べものやイラスト作成だけでなく、「恋愛相談」の相手として使う例も出ています。

■グーグルが生成AIの検索サービスを開始
IT大手・グーグルは9月9日、生成AIを活用した日本語での検索サービスをスタートしました。

『2泊3日の大阪旅行のプラン』と尋ねると、観光スポットから食事まで提案してくれます。ほかにも、9月の気候に合わせた服装や、お得な切符の情報も教えてくれます。

ますます生活に近くなる生成AI。総務省によりますと、その利用率は若い人ほど高くなっています。
■AIを使いこなす学生たち…中には「恋愛相談」にも
学生たちがどれほど生成AIを使っているのか、名古屋の街で聞きました。
2つの飲食店で迷っていたという学生は、どちらが食べたいものをより安く食べられるか、生成AIに計算してもらっていました。
専門学校生:
「マックの値段を調べて、節約できないかなって」

文化祭が近いという高校生は、生成AIによるイラストでステッカーを作り、文化祭で配る予定だそうです。
高校3年生:
「『写真をイラストにしてください』って、かわいいイラストにしてくれます。自分たちで描けないものとか、うまく描いてくれる」

調べもののほか、文章や画像を生成する学生たちがいる一方で、「恋愛相談の相手」にAIを使っている学生もいました。
大学1年生:
「男の人の(心理は)まじで自分じゃ分からんし、他の人に相談するのも恥ずかしいから、チャットGPTに相談しています。ほんとにちゃんと返ってくるから。参考になります」

友達でも相談するのが恥ずかしいという時に、AIを使うことが多いそうです。
ある調査では、中高生の5人に1人が相談相手としてAIを頼っているというデータもあり、家族よりやや高い水準になっています。
Q.悩みとか誰に相談する?
大学1年生:
「まずは家族かAIか友達」
AIの専門家は、相談相手としては注意も必要だと指摘します。
桜美林大学の平和博教授:
「生成AIは、間違ったこともまことしやかに回答することが知られています。危険性もあるということを踏まえて使っていく必要があるかと思います」
■メリット・デメリットについて専門家は
生成AIのメリットとデメリットなどについて、桜美林大学の平和博教授に聞きました。

平教授によると、AIのメリットは「否定しない」という安心感で、説教したりすることがなく、いつでもどこでも、どれだけでも話を聞いてくれます。
デメリットは、「不安や妄想を助長してしまう」ことで、AIは否定しないため、相談者が不安やマイナスの感情を抱えている場合、それをどんどん悪化させる可能性があります。
また、「信ぴょう性に疑義がある」ということで、回答のベースとなるネット上の情報は玉石混交なので、誤った答えをあたかも正しい情報のように回答することも多分にある、と指摘します。

海外では、AIを相談相手にしてユーザーの命に関わる事件も起きています。2025年4月、アメリカカリフォルニア州で16歳の少年が自殺し、自殺に追いやったのはChatGPTだとして、両親が運営会社やCEOらを8月に提訴しています。
平教授は、『人間関係などの悩みは、まずは家族や友人に話す』『AIは医師でもカウンセラーでもない。カウンセラーなど専門機関にしっかり相談を』と呼びかけています。
下記のような相談窓口もあります。
▼「こころの健康相談統一ダイヤル」0570−064−556
▼「#いのちSOS」0120−061−338
▼「あなたのいばしょ」チャットで相談可能