奈良県内の「特殊詐欺」について、ことし8月末時点での被害総額が、去年と比べて2倍近くにのぼっていることが、奈良県警のまとめでわかりました。
件数も増加していて、1件あたりの被害額平均も約40%上昇しています。
ことし7月、奈良県内で警察官や検察官などをかたる人物からの電話を受けた70歳代の夫婦が、約8800万円相当もの暗号資産をだまし取られる被害が起きました。特殊詐欺事件の発生-。警察が捜査を進めています。
こうしたなか、奈良県警はきょう=5日、ことし8月末時点でのオレオレ詐欺や架空料金請求詐欺などといった「特殊詐欺」に関する状況を明らかにしました。
それによると、県内の特殊詐欺による被害総額は、去年の同じ時期と比べ約6億6940万円増えて14億850万円だったということです。
また、特殊詐欺の認知件数は214件と、去年同時期と比べ52件増加しました。
よって1件あたりの被害額も約658万円と、1.44倍に上昇しました。
電話で「警察」または「検察」を名乗る者が登場する手口が急増していて、全体の半分以上(51.4%)を占めたということです。この手口は携帯電話への着信によるのが特徴で、世代を問わず特殊詐欺の被害を増加させています。
これらのことから、奈良県警は
●携帯電話には非通知の電話を拒否する設定や、国際電話の通信規制が可能なサービス、アプリを活用すること
●固定電話の場合は、国際電話の発信・着信を休止する手続きをとること
などを呼び掛けています。
また、SNSで投資を呼び掛けたり、SNSで近づいて行為をほのめかしたりして、投資などの名目で金をだまし取る「SNS型投資・ロマンス詐欺」も、件数は去年より減ったものの、被害総額は約14億6550万円と特殊詐欺に匹敵しています。
●会ったことのない人に金銭を求められたり、投資を持ちかけられたら、それは詐欺!
警察庁によると、ことし7月までの全国の特殊詐欺の被害総額は約720億円で、去年1年間の被害額・約719億円をすでに上回っています。